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俺たちはさっき出会った阿部という男性の話を聞くために街にあるカフェへと向かった。
hk「で、そのある人ってのは？」
ab「元の世界からの友達で、そいつに誘われて俺もこのゲームを始めたんです」
fk「成程ね。それでなんでその子はどっか行っちゃったの？」
ab「それは、………」
進学校に通っていた阿部はずっと目指していた大学への推薦を貰える試験を控えていたらしい。しかし、この世界から抜け出せなくなり、その試験を受けられなくなった。
それに負い目を感じ1人街から飛び出してしまった友達と話がしたいと、阿部も1人で探していると言った。
fk「…なんか聞いてるだけなのに切ない………」
hk「すれ違いだなあ……」
ab「…俺がもっと強かったら一緒にいられたんです。でも、俺が弱いから……」
阿部は俯き唇を噛み締めていた。
悔しさ、悲しさ、寂しさ、いろんな感情が彼の中にあるんだろう。
そしてまたその友達にも同じ感情があるんじゃないだろうか。
ふっかの方を見ると目が合い、ああ同じことを考えているな。と確信できた。
hk「俺から提案なんだけど」
ab「………提案？」
俺たちに出来ることは多分これしかない。
hk「ソロって危ないし、その友達探し俺らも手伝うからさ、一緒に組まねえ？」
ab「え…、いやそんな、逆に俺なんかが入っちゃってもいいんですか…？」
fk「いいから言ってんの！」
阿部は少し考えてから「よろしくお願いします」と、また深々頭を下げた。
hk「よし、じゃあまずは敬語なくそうぜ」
fk「ふっかとひかる呼びでいいからね〜」
ab「うん、分かった。ふっかとひかる改めてよろしくね」
阿部は初めて優しく微笑んだ。
続く (更新停止中)
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作者名：aru | 作成日時：2021年8月8日 20時
