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長い沈黙だった。
どこかの誰かが絶望を嘆き始めるまでは。
「………俺たち、ここから出れないのか………」
「っ……嘘だ、嫌だ！！出させろ！！！！」
「……うぅ、っ、お母さん……っ」
自分たちの現状に泣き叫ぶ人、未だ受け止められず放心状態の人、そして、誰よりも早く冷静に現実を受け止める人。
ab「……………さ、くま」
弱々しい阿部ちゃんの声に泣きそうになる。
sk「……………ごめん、阿部ちゃんほんとに……ごめん」
ab「え……な、なんで佐久間が謝るの」
sk「……俺が…こんなゲームに誘ったから…阿部ちゃんもうすぐ大事なテストがあるのに………ごめん」
ab「…………このゲームを始めたのは俺の意思だよ」
阿部ちゃんは優しいからそういうと思っていた。
でも俺は知ってる、そのテストが阿部ちゃんの将来に関わるもので、推薦にも大きく関わるから頑張りたいって言ってたことを。
俺が出来る事は一つだけ………
sk「っ………俺が、このゲームをクリアして、絶対阿部ちゃんを助ける…から、出来るだけ早く元の世界に帰すから、阿部ちゃんは絶対生きて、元の世界に帰って……、」
ab「…なにそれ、俺はって、佐久間も一緒に帰るでしょ…？……しかも、佐久間が俺の為に頑張らなくていいよ、俺のことはいいから、」
良くないよ、俺なんかが阿部ちゃんの将来を潰していいわけない。
sk「………………………阿部ちゃん、俺もう行くね。
次の場所ラストアタックの俺が行かないと開かないし」
ab「え、？…俺も行くよ、1人は流石に危ないでしょ」
sk「いや、俺1人で行く。パーティーは解散しよう」
ab「な、なんで…！一緒に…」
…だめだ、どうにかして阿部ちゃんをここに残さないと…。
sk「………阿部ちゃん強くないから居たら…迷惑なんだよ、他の人まで守れる余裕とかない、から」
目は、見れなかった。阿部ちゃんに背を向け最後まで言うと同時に俺は走った。
阿部ちゃんが俺を呼ぶ声がしたけど無視して、何も考えずに走った。
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作者名：aru | 作成日時：2021年8月8日 20時
