飛蝶 - 最愛の人 - (ページ46)

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足の経過を病院で見てもらった帰り、
私のアパートの前に女の人が立っていた。

どっかで見たことある姿に、

結『出ないと思ったら、出掛けてたのね』

居るはずのない人物に驚くのと同時に、
消したはずの家の中の電気が付いてることに焦る。

なんで……、

結愛さんに中に入ってもらうわけには行かないし、

「…あの、どうしてここに、？」

結『あそこの家にはもう居ないって言うから調べたのよ。聞きたいことがあって』

ざわつく心と焦る気持ちで私の頭は完全に鈍くなってた。

「話、ですか…。だったら、ここじゃ無くてカフェかどこかで、」

結『いいわ、すぐ済むから。』

「そうですか、」

結『…それに、きっと私が望んでる答えはきっと返ってこない。』

「え…？」

ほんの一瞬、生温い空気が肌を掠めて。

結『あなた、崇くんと付き合ってたのね』

どうして…

なんで、結愛さんがそのこと…

結『もしかして、その時から神山家の娘だったのかしら？』

そして、絶対に知られてはいけないことも全部…

もう既に、結愛さんは知っていた。