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目を覚ませば見覚えのある場所。
体にかかるブランケットからは、ほんのり彼の香りがして…
『…体はどうや』
もうひとつのソファに座って私を見ている。
「…もう、大丈夫」
起き上がると、いつもの私服に着替えてることに気づく。
「え、これ…」
『あまりにも似合ってへんから変えた』
「誰が…？」
『俺が』
…嘘、
ってことは、
「見たのっ…？」
『は？』
「着替えさせるとき、見たのっ…て、」
『安心せえ、見てもなんも思わんから』
「そういう問題じゃっ…」
溜息が出るほど、恥ずかしくてたまらない。
何でよりによって、この男が…
『…それとも、なに』
煙草の火を消した彼が、私の横に座りジリジリと距離を縮める。
『あの男みたいに襲って欲しかった？』
「…馬鹿じゃないのっ、」
振り上げた手は簡単に掴まれて、すぐそばに崇裕の顔。
『あんまり生意気なこと言うと痛い目見るで』
さっきまで吸っていた煙草の香りがもっと強くなって、思わず黙り込む。
『…望が心配しとったから、部屋寄ったれ』
パッと離れて、自分の仕事に戻る彼に私ばっかり焦って。
「…バカみたい」
ドクドクとうるさい音は聞こえないふりをした。
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作者名：シャータナ | 作成日時：2020年11月12日 2時
