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そのまま、男の車に乗って 、
「っ……、」
隣から伸びてくる手に耐えながら、これから怖い人たちに捕まると知らず呑気な男。
10分くらいで着いたマンションは、金持ちが住むような場所ではなく、至って普通の所。
腕を組みながら、エレベーターに乗って男の住む階へ。
鍵を差してドアを開けるところで、本来なら小瀧さんたちが来るはずだけど…
〈ほら、入って〉
「あ、うんっ…」
なかなか来る気配が無いまま、中に入ればガチャっと鍵が閉まる音。
まずい、このままじゃ…
怪しまれないようフリを続けても、
「ちょっ、………」
寝室に引っ張られたところで、さすがに抵抗した。
「いやっ……、！」
〈は？ここまで来といて、やめんのかよ〉
「きゃっ、」
ベッドに投げ飛ばされてしまい、強い力に掴まれる。
このままだとされるがままだ…
恐怖で震え出した体に、お構いなく顔が近づいた瞬間、
バンッ────────
音が鳴って、背後から思いっきり蹴られうずくまる男。
小『ごめん、遅なったっ、』
暴れる男を外に連れ出していく小瀧さんと、
「、なんでっ……」
『立てるか』
もう戻ってるはずなのに…
「…だい、じょうぶ、」
起き上がろうと足を付けた瞬間、さっきの恐怖で思うように力が入らない。
『…大人しいしとけよ』
「…きゃっ、」
ふわっと煙草の匂いに包まれ、いつの間にか彼に抱えられていた。
久しぶりに近くで感じる香りに心の奥が少し痛くて。
でも、安心したのか、私は彼の中で意識を手放していた…
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作者名：シャータナ | 作成日時：2020年11月12日 2時
