飛蝶 - 最愛の人 - (ページ22)

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そんなことを話しているうちに、例のお店に着いた。

小『ほな、俺らは裏で待っとるから。男が移動したら後ろついていくで、どうにか連れ出して』

「はい、」

小『じゃ、頑張って』

小瀧さんに見守られながら、キラキラとした店内で男を待つ。

小『Aちゃん入ってきたで、黒のコート』

あらかじめ、仕込んで置いた無線を頼りに店内を見渡す。

小『今、ボーイがそっち行くよう案内したから』

「…わかりました」

男が近づいて来て、私のいるテーブルへと座り、

「ご来店ありがとうございます。お兄さん、初めてですよね？よかったら、好きなお酒お作りしますよ」

教えてもらった通り、不自然にならないよう会話を続ける。

「あ、シャンパンも開けていいですか？初めて会った記念に」

〈あぁ、好きなの頼んで〉

「やったぁ、嬉しい～！」

少しずつ距離が近くなる男に気づかれないように離れるけど、どんどん近づいてくる。

でも、ここで逃げたらダメだ…

「…ねぇ、もっと一緒にいたいかも」

逆にこっちから男に腕を絡めれば、

〈いいよ〉

「ほんと！…あ、お店には内緒だからホテル以外がいいんだけど」

〈俺の家、車ですぐだから〉

「行ってもいいってこと…？」

なんの疑いもなく頷いた男に、すぐにお会計をして、一つ目のミッションはクリア。