Takuya side. ページ10
『……は?』
「昨日、病院抜け出す前に言われた。あ、余命告げられて死ぬのが怖くて抜け出して来たんじゃないからね。むしろ、早く死にたい。」
そんなの、急に俺に言われたって困る。
それに、そんな重たい病気なのかよ。
「一年なんてあっという間だから、生きる意味なんてないからさ。どうせ死ぬ運命なら、やりたいことやって死にたい。人に執着しないでね。」
『…じゃあ、なんで俺の所に居たがるわけ?』
「わかんない。でも、芸能人なのに、あんな大勢の人が見るような映像でも一人だけ笑ってないなんて変わってるじゃん。ニコニコしてる親切そうな人はお節介だから好きじゃないんだよね〜」
こんなに元気そうっつーか、確実に呼吸もしてて、心臓も正常に動いてて、はっきり自分の感情を伝えてるくせに、余命が一年?
「正直、なんも接点がないあんたの所に居たら、私がいつ死んだところで何も変わらなさそうじゃん。」
『まぁ、そうだけど…』
「ね?あんた、泣くこととか笑うこと少なそうじゃん」
別に感情はそりゃあるけど、人よりは少ないっていうか、つい、泣いてる自分とか笑ってる自分に恥ずかしくなるというか。
そう思うと、なかなか感情を出しにくい性格にはなってた。
「あの映像も、カメラの所には笑う相手がいなかったから笑ってないんでしょ?よっぽと、あとの6人より素直だと思うけど」
あー、なんで昨日会ったばっかりのやつに
こんなに俺のことわかった言い方されてんだよ。
『………飯は自分で作れよ』
これから先、後悔することが待ってたりしても
こいつは居なくなる。
きっと、この感情もすぐ消えてしまう。
.
一年なんて、あっという間だ。
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貧乏ゆすり桃太郎はんオブザファイナル果汁50%入り - めっちゃ、続き気になります(σ≧▽≦)σしかも、面白いし!!カンペキの小説ですヽ(´▽`)/ (2017年10月17日 20時) (レス) id: 0d7a07602e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャータナ | 作成日時:2017年10月11日 5時