弐 ページ4
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「…ふぅ…」
襲い掛かってきた厄魔の群れの、最後の一匹を倒し、伊達政宗は息を吐いた。
伊達軍に厄魔の群れの目撃が報告されたのは、今朝の事であった。
先日、他軍との戦を終わらせたばかりで兵力が足りておらず、目撃されたのが、とても大人数では行軍できそうにない森の中であった為、伊達政宗、伊達成実、片倉小十郎の、少数精鋭で行く事にした。
群れと言っても、厄魔の数はそれほど多くはなく、難なく討伐する事ができた。
「政宗！」
背後から聞こえた声に、政宗はゆっくりと振り向いた。
そこには、安堵の表情を浮かべる、片倉小十郎の姿があった。
「無事か、政宗。」
「ああ。…成実はどうした。」
森の中で厄魔に遭遇した後、別れて討伐していた為、政宗はまだ再会できていない従兄弟の状況を把握できていなかった。
小十郎が焦りを含んだ表情で答える。
「いや、まだ見ていない。そう遠くまでは行っていないと思うが…」
突然、側の茂みが揺れたかと思うと、そこから誰かが吹き飛ばされてきた。
「なっ…成実！？」
吹き飛ばされてきた人物、伊達成実は、地面に身体を打ち付けると、苦しげに呻いた。
「ま、さむね…っ、こじゅ、ろ…！」
「成実！おい、しっかりしろ！」
小十郎が成実に駆け寄り、政宗は成実が吹き飛ばされてきた茂みの向こうを睨み付けた。
(厄魔か…？いや、その程度で此奴がこれほど苦戦するとは思えない。それなら、一体何が…)
臨戦態勢で刀を向けたまま、政宗は思考を巡らせた。
そして、そこから現れたそれを見て、政宗、そして小十郎も、言葉を失った。
鬼の様な形相、大きな身体、片手に持つ大太刀。
これまでに見た事のない姿形の化物。
唯一分かる事は、明らかに自分達に敵意を向けていると言う事だけ。
小十郎が肩を貸し、成実を起き上がらせたのを横目で確認し、政宗は告げる。
「小十郎、成実を連れて逃げろ。」
「なっ…駄目だ、政宗！お前も逃げろ！」
逃げようとしている気配を察知したのか、目の前の化物が、突然、政宗に襲い掛かった。
「っ！！」
何とか防いだが、あまりに重い一撃に、政宗は蹌踉めいた。
その隙を見逃すまいと、再び刀を振り下ろす。
(不味い…！！)
「政宗っ！！」
避けられない。
そう直感し、次に襲い来るであろう衝撃を覚悟した。
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夜霧 - 面白い (2018年6月24日 15時) (
レス) id: d12e91b5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - おもしろかったです♪更新頑張ってくださいねq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年3月10日 16時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
お母さん(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年1月8日 2時) (レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2017年12月25日 16時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレイン | 作成日時：2017年12月25日 15時
