弐拾陸 ページ28
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城に帰りながら、政宗は何やら一人で考え込んでいた。
それは、先程彼が口にした、卯月の血について。
(どこか、懐かしい様な……)
そっと、右目を隠す眼帯に触れた。
兎の様な紅い眼。
ちらりと、後ろの方で刀剣男士達と話ながら歩く卯月を見遣った。
狐の面でその眼は見えない。
(……“あの人”と…)
そこまで考えて、政宗は頭を振った。
卯月から目を逸らし、そのまま真っ直ぐに前を向いた。
(まさか、な。)
胸中に浮いて出てきた答えに蓋をして、政宗は歩を進めた。
それでも、一度出てきた答えはそう簡単に切り捨てられるものでは無いらしく。
城に帰ってからも、政宗は一人で考えていた。
「おい、政宗。」
「……ん、なんだ。」
掛けられた声にすぐには反応できなかった。
心配そうに声を掛ける成実に適当な返事を返して、政宗は一度周囲を見回し、その後卯月に目を向けた。
『大丈夫かい?』
「問題ない。…協力はしよう。だが、お前の言う“姫神子への手掛かり”を、俺達はまだ見つけていない。」
『ああ、それなら問題ないよ。』
続く卯月の言葉に、政宗の心臓がドクンと跳ねた。
『時間遡行軍の狙いが分かったから、ね。』
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夜霧 - 面白い (2018年6月24日 15時) (レス) id: d12e91b5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - おもしろかったです♪更新頑張ってくださいねq(*・ω・*)pファイト! (2018年3月10日 16時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
お母さん(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年1月8日 2時) (レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月25日 16時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレイン | 作成日時:2017年12月25日 15時