弐拾弐 ページ24
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町民の避難を終え、厄魔討伐に加勢すべくその場にやってきた小十郎と薬研は、目の前の光景に驚きを隠し切れなかった。
「あれは……まさか、政宗か?それに、この匂いは……」
普段とは全く違う総大将の姿と、辺りに広がる月牙族にしか分からないであろう甘い香りに、“智の小十郎”と呼ばれる彼であってもまだ理解が追いついていないらしい。
小十郎と共にその場に来た薬研は、自らの主の姿をその目に捉えると、血相を変えて駆け寄った。
「大将っ!」
『…ああ、薬研。町民の避難は終わったのか?』
「そんな事より、大将、その傷は…!」
薬研の目線の先、卯月の首筋には噛み傷があり、そこからはまだ赤い血が流れ出ていた。
卯月は、ああ、と、彼が何故そんなに焦っているのか漸く分かった、とでも言う様に、緩く微笑んだ。
『此奴なら、気にするな。ちょっとした好奇心と期待の成果さ。』
「…とりあえず、簡単にだが手当てしとくぜ。自分の主から血が流れ続けてるなんてのは、見てて気持ちの良いもんじゃねぇからな。」
『ああ、頼む。』
またいつもの“我が儘”か、と、薬研は呆れつつも、何処かホッとした様に、慣れた手つきで傷の手当てをしていく。
(大将の“我が儘”は今に始まった事じゃ無いが…今回のこれは、ただの“我が儘”って訳じゃ無い様な気がするんだよな。何かを隠している様な……俺や山姥切の旦那にも話せない事なのか?大将…)
じっと、次々と厄魔を倒していく政宗を見詰める卯月に、薬研は心中で言葉を吐いた。
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夜霧 - 面白い (2018年6月24日 15時) (レス) id: d12e91b5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - おもしろかったです♪更新頑張ってくださいねq(*・ω・*)pファイト! (2018年3月10日 16時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
お母さん(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年1月8日 2時) (レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月25日 16時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレイン | 作成日時:2017年12月25日 15時