序 ページ1
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「…神牙?」
突然に告げられた聞き慣れぬ言葉に、山姥切国広は眉を顰めた。
それを告げた張本人、狐の面で目元を隠した審神者は、片手に煙管を持ち、紫煙を燻らせつつ、言葉を続ける。
『君らが生まれ、使われていた世界とは別の世界だ。言うなれば、“異世界”と言ったところかな?』
「時間遡行軍が、そんな所まで…」
『ああ。』
煙管を咥え、ふぅ、と、煙を吐いた。
苦い香りが、山姥切の鼻に届く。
『奴らが何を考えているのか、私には見当も付かないね。』
その様子じゃ、何か分かっているのだろう、と、山姥切は考え、小さく溜め息を吐いた。
この本丸内で一番最初に顕現した彼だからこそ、こういう事を言う時の審神者の企みに気付く事ができる。
(…今度は何を企んでいるのやら。)
山姥切は心の中でもう一度溜め息を吐き、審神者に問うた。
「部隊は?俺を呼んだと言う事は、第一部隊で良いのか?」
『ああ、構わない。……それと、今回は私も行く。』
「は…?」
突然の申告に呆けた声を上げた山姥切に対し、口元を不敵に歪ませた審神者が更に告げる。
『“異世界”と言うモノに興味があるんだ。本丸の方は、まぁ……大抵の事は大丈夫だろう。』
笑いながらそんな事を言う審神者に、山姥切は言葉も出ないまま、頭を抱えた。
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夜霧 - 面白い (2018年6月24日 15時) (レス) id: d12e91b5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - おもしろかったです♪更新頑張ってくださいねq(*・ω・*)pファイト! (2018年3月10日 16時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
お母さん(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年1月8日 2時) (レス) id: 335a7d9d6b (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月25日 16時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレイン | 作成日時:2017年12月25日 15時