★２つの携帯-５- ページ1
ヒムチャンside
ミヨンと電話していたら、メンバーが部屋に入ってきた。
｢勝手に入るなよ！｣
マンネが、｢ちゃんとノックしたのに…。｣と言った。
電話に気を取られていて、ノックに気づかなかったらしい。
俺の周りに集まってきて、聞き耳を立てている。
あっちへ行け！と手で合図したら、｢ヒョン、ヨジャチングと電話ですか？マネヌナには内緒ですね。｣とオプが言った。
この手の話題には加わらないヨングクまでが、今日は参加してにやにやしている。
メンバーに気を取られていたら、デヒョンが俺の手から携帯を取り上げ、ミヨンの電話に出てしまった。
俺は、メンバーに羽交い締めにされ、携帯はメンバー間を渡り歩く。
｢デヒョンで〜す。｣
｢初めまして、僕はヨンジェです。｣
｢マンネ、ジェロです。｣
｢僕は、ジョンオプです。｣
そして最後にヨングクが、｢リーダーのバン・ヨングクです。｣と言った後、俺を睨みながら携帯を切った。
メンバーは自分だけが自己紹介するのが精一杯で、電話の相手が誰だかわかっていなかった。
しかし、最後のヨングクだけは相手がミヨンだと気づいたらしく、｢あいつは俺のだ。｣と耳元で囁いてから俺に携帯を返し、｢お開きだ。｣と言って部屋を出て行った。
おふざけの時間はもう終了だと言うヨングクの圧力に、メンバー全員の高かったテンションが一気に正常値まで戻った。
｢ヒョン、電話の邪魔してミアネヨ。｣
｢チングにもふざけてごめんなさい…と伝えて下さいね。｣
次々に言いながら部屋を出て行った。
何だよ！ヨジャチングだとか言っておきながら、結局俺の電話の相手はチングだったとしか思ってないんじゃないか。
みんなしてからかうのもいい加減にしろよ。
俺は、ヒョンなんだぞ！
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作者名：ayu | 作成日時：2015年1月29日 0時
