【ＨＱ】×【暗教】あの日々、そして今。

１１羽目　妙技 ページ14

日「？

“持って行く”って何？？

どういうこと？？」

困惑したような表情の日向クン

なんか唐突に眠気と戦いだした俺←

影「…お前はただ

ブロックの居ない所にＭＡＸの速さと高さで跳ぶ。

そんで全力スイングだ

俺のトスは“見なくて良い”

ボールには“合わせなくて良い”


さっきそこの…貴「暁だヨ〜」…暁が言ったみたいに！」

あ、やっぱりなんか俺やらかしたんだね…？

日「ハァ！？

ボール見ないと空振るじゃん！！」

影「かもな！！」

日「うぉい！？」


ギャーギャー騒ぐ二人。


影「でも…


やってみたい」

最後にはそう、静かに言い放たれた


今度考え込むのは日向クン。

でも、あの目を見るに…


もう答えは決まってそうだね。



日「分かった」



…ほ〜らね

月「まだ何かやるつもり？

“王様”の“自己チュートス”なんて、誰も打たないってば」

山「だよねーっ」


貴「クククッ」


直ぐに、そんな事言う余裕は無くなると思うよ？


成功すると思う


そんな気がする


…俺の直感って、割と良く当たるんだよ？


去年、それに何度も救われたからね


試合は再開され、サーブが打たれる



＿＿＿＿＿刹那


一瞬目を閉じた影山クンの纏う空気が変わる

それこそ、俺達が“殺る気”になる時みたいに


影山クンは凄まじい集中力で、コート上に溢れかえる情報を全て拾って行った

敵の位置

ボールの位置

日向クンの位置


さらには、次にどう動くか

どこに跳ぶか

スパイカー…日向クンの最高打点まで


その全てが今、彼には明確に理解出来て居るんだろう


影「(＿＿＿＿＿今！！！

この位置！

このタイミング！

この角度で！！



ドンピシャ！！！)」


派手な音を立てて相手側に叩きつけられるボール


影「＿＿＿！

よしっ！」


日「！？

！！？

……手に当たったあああ！！！」

そう嬉しげに自分の掌を見つめる日向クン

皆…否、澤村先輩と俺以外がその言葉に疑問を抱く

“当たった？”…と


貴「マジですカ…！

一発で成功…

＋


日向クン、目ェ瞑ってたヨ…！？」

全ｰ貴・日・澤「「「はァ！？」」」

更に澤村先輩が説明を加え、再び皆が驚きの声を上げる


出会って間もないお互いを“信じないと”出来ないプレイ。

信頼関係は無いなんて言ってるけど

俺には嘘に思える

すごいの一言に尽きる

何よりも

影「次も

ボールは俺が持って行く


信じて跳べ」


日「(ｺｸｯ」



＿＿＿やっぱりコイツら、面白い。

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