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3 貴女と痛い_kwkm ページ7
俺よりも幾らか背の低いAさんは、未だ忙しなく行き交う車を見ていた。
その細い首には、手の形をした青い痣。
「…俺が気づかないとでも」
「え？」
「いつやられたんですか」
Aさんははっとしたように首元を服で隠した。無論、そんなことしても無駄だが。
「…き、昨日…」
暫く考えていると、Aさんがこちらを覗き込んだ。少し茶色味を帯びた瞳に俺の顔が映る。心臓をぐっと掴まれた気分だった。
「Aさん、俺と一緒に逃げませんか」
「…ははっ、それもアリかもね」
信号が青に変わったのを確認したAさんは歩き出した。Aさんの甘い香りがふわりと感じられる。
「…期待しても良いんですかね？」
小さく呟いて、夕日に煌めくAさんの後を追った。
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作者名：スミレ | 作成日時：2020年2月1日 1時
