短編集 (ページ6)

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「あはは〜山田よりマシだよ〜」
「はあ？なんだと〜？ひかより俺の方が頭いいよ！」
「2人ともどっちもどっ、」
「ゆーてぃー、それ以上言っちゃダメ」

年下にいじられながらも楽しそうに笑っている光は顔が真っ赤だ。
珍しい。みんなで飲む時でもちゃんと明日のことを考えて飲むのに。

「光、大丈夫か？」
「なんだ、薮かよ」
「なんだってなんだよ」
「髙木みたいなイケメンがよかった」

人間、酔ってるときほど本音が出るもんだ。
つまりこれは光の本音…？
別にかっこいいとは思ってないけど、好きなやつにはかっこいいって思われたい。

悪かったなイケメンじゃなくて、なんて言ってその場を離れたけど結構ダメージを負った。
そのまま飲み会は続き、夜が更けてきた頃、解散することに。

「薮ちゃーん、ひかのこと頼んだよ〜？」
「はいはい、大ちゃん涼介のことよろしく」
「おう、じゃあまた〜」

もう夢の世界に旅立っている光を抱えてタクシーに乗り込んだ。
にしても起きねえ。にしても軽い。
にしても、……あれは心にきたな…
そんなことを考えていたらあっという間に家に着いた。

「…やぶぅ、」
「あれ、起きたの」
「ここおうち？」
「そうだよ」
「ありがと、だいすきだよ、やぶぅ」

そう言った光は俺の首に腕をまわしてきて、気付いたらキスされていた。

「は、………」
「へへ、そんな顔もかっこいいよやぶは」

天使みたいな笑みを見せながら瞼をおろした光。
ほんと猫みたいに掴めない猫嫌いだ。

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