arym ページ41
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ふと目に入った「有岡くんプロポーズ?」というファンのツイート。
添付されている動画はスクール革命のようで。
開いてみると「俺が一生幸せにします!」と言っていた。
こりゃプロポーズだ。
…ただ、それは恋人の俺にではなくメンバーの知念に向けられていた。
フリーズしてしまい、動画が何度かループで再生される。
あー…これ俺がドラマの撮影で忙しくて参加できなかったときのやつだ。
仕方がない。ノリで言ってる。
そんなことはわかっているが、忙しくて大ちゃんとの時間をあんまり確保できていない俺からしたら、火曜日毎週のように一緒に生放送をしている知念がうらやましいし、そんな彼に勝てるわけないと思った。
大ちゃんはもうすぐ仕事が終わる。俺はもう終わった。
気付いたらスケジュールを確認していた。明日も朝早いけど。
でもそんなことよりも大ちゃんに会って確かめたかった俺はトークアプリを開いて「今日会える?」と連絡をした。
「ごめん!今日知念とご飯行く約束しちゃった…」
数分後に帰ってきた通知にはそう表示されていた。
そ、うだよな……急に会えるわけないよな。
スケジュールを見てみれば、大ちゃんは知念と一緒だった。
そうなってもおかしくない。わかってる。
わかってるけど、今日だけは俺を優先して欲しかった。
ピコン、と通知が鳴って見てみるとまた大ちゃんから。
「なんかあった?急ぎ?」
急ぎじゃないけど。でも大ちゃんに会いたい。
そう言ったら困るだろうなあって、想像できた大ちゃんの表情に思わず笑えた。
「急ぎじゃないから大丈夫」と返信して、PCの電源を入れた。
ゲームをし始めたのはいいものの身が入らずいつもはしないミス連発でRPは下がるばかり。
はぁー…まじでついてねぇ。
てかこんなことで振り回されてる俺も情けねぇ。
電源を落とし、ベッドに横になる。
このまま寝ちゃえば全部忘れられるかもしれない。
てか忘れられるといいな。
そう思い、目を閉じた。
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作者名:レン | 作者ホームページ:https://twitter.com/_15957
作成日時:2021年11月15日 21時