短編集 (ページ30)

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arym

「っ…起きてたの？」
「…おいで」

素直に広げられた手の中におさまる。

「あったかぁ…」
「山田来るの遅いから」
「…ごめん」
「うそうそ、好きなことしてよ」
「うん…」
「…でも、俺にも構って？」
「…新シーズン始まったからしばらくは無理かも」
「お前…こんにゃろ！」
「ちょ！くすぐったいって！」
「自業自得だ！」
「もー、腹捩れるって」
「…最近忙しかったじゃん？一緒に過ごせてないじゃん」
「うん、…あ、じゃあ一緒にゲームする？」
「…はぁ、」
「そしたら一石二鳥じゃない？」
「お前ってやつは」
「やなの？」
「やるよ！」
「あ、でも下手くそだったらすぐやめるからね」
「は？」
「下手くそな人とはやっても楽しくない」
「ほんっとにお前は…！」
「なんだよ」
「ゲームの方が大切なわけ？」
「そんなわけないでしょ」
「ゲームばっかりのくせに」
「でも大ちゃんのこと大好きだよ？」
「はぁ……」
「大ちゃんは？おれのことすき？」
「好きに決まってる」
「へへっ」

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