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arym ページ3

名取×山田


月が綺麗だ。
ふと顔を上げたら、ほんの少しだけふっくらとした月が視界に入った。
たぶんあと数日で満月なんだろう。

……ああ、名取先生に会いたい。

いつもはそんなこと言えないけど、いまなら月の光が俺を後押ししてくれる気がした。
スマホを手に取り、ちょっと画質の悪い月を撮る。




  見てください、今夜は月が綺麗です:




写真と共にメッセージを送るとすぐ既読がついた。
そして、かかってくる電話。
いまでも深呼吸をしてから出ないと緊張する。


「もしもし、」
「なにあれ、プロポーズ?」
「へっ……?」


くすくす笑う声が鼓膜を揺さぶった。
どういう意味?って、………え……


「ちがっ、…!ちがいます!」
「ははっ、違うっていうのも傷付くけど」
「いや、えっと、あの…ちがくは、ない、けど……」


尻すぼみになる自分の声。


「あなたとなら死んでもいいわ」
「え……?」
「っ…わかんないのかよ、ばか」
「えっ?えっ?何がですか?」
「なんでもなーい、あとで検索でもして」

おやすみと一方的に切られた。
早速、名取先生が言っていた意味を調べる。

かぁっと熱が上る。
よかった、今夜は少し肌寒くて。






  会いたいです:

  :俺も




今度会えたときには直接言えるかな。




ytym→←arym



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作者名:レン | 作者ホームページ:https://twitter.com/_15957  
作成日時:2021年11月15日 21時

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