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高槻×有岡


「先生!この間言っていたやつ調べてみたんですけど…!」
「え?早くない?さすがだね〜、ありがとう」
「でね、これなんですけ、」
「先生ー、ホームページに面白そうな投稿ありますよ?」
「え!本当?どんなやつ?」


先輩に呼ばれてパソコンに近付く先生の目はとってもキラキラしている。
今まで怪異なんて興味がなかった俺は必死に先生の目を引こうとしているけど、やっぱり無理そう。
静かに部屋を出た。
外の階段まで響く2人の楽しそうな声に胸が締め付けられる。

帰ろうと門の方へ歩いていると、少し遠くから名前を叫ばれた。


「有岡くん!」
「…先生?」
「はあ、はあ……」


走ってきたみたいで頑張って息を整えている。
なんで急いできたのかわからないけど、ちょっと嬉しい。


「あの、これなんだけど、」
「なんですか?これ」
「今度、地方の講演会にお呼ばれしているんだ。よかったらどうかな?」
「…俺が行っても邪魔になりませんか?」
「なんで?有岡くんも怪異に興味あるんでしょ?」


先生に興味があります、なんて言えるわけもなく口が閉じる。


「有岡くん?」
「いや、なんでもないです。俺も気になります」
「よかった、じゃあこの日と次の日も空けておいて」
「次の日…?」
「そ、よかったら観光でもして帰ろうよ」


思わぬ誘いに胸が躍った。


「はい!ぜひ!」
「ふふ、じゃあよさそうなところ調べておくね」
「俺も調べておきます」
「ありがとう。じゃあまた、授業で」
「はい。また」


踵をかえした先生を見守る。
と、途端に足を止めてまたこっちを向いてきた。


「あ、」
「……?」
「言い忘れてたけど、その日、瑠衣子くん来れないらしくて」
「え…………?」


デート楽しみだね、って微笑む先生に心臓が止まった。




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作者名:レン | 作者ホームページ:https://twitter.com/_15957  
作成日時:2021年11月15日 21時

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