episode.27 ページ29
伏黒side
幼少期
Aさんに初めて会ったのは五条さんが家にくる2回目のときだった。
「めっぐみくーん!悟お兄さんが来てやったぞ〜!」
「別に来なくて良い。」
会うのは2回目なのに、異常に馴れ馴れしい五条さんの背後からちょこんと出てきた可愛い人、それが俺の第一印象だった。
『君が恵くん?えっと、禪院Aです。君のお父さんと兄弟だから、私からすると甥になるのかな。よろしくね。』
「俺のお父さんと、兄弟……」
憎いはずの親父の兄弟と聞いて、嫌悪感を抱かなかったのは彼女の出す雰囲気なのか、この人は信じても良いと本能的に感じたのか、俺はこの人に直感的に近くにいて欲しいと感じた。
『あ、そっか、嫌だよね!そっか……そうだよね!悟、私帰るね!』
俺の反応を悪い方に勘違いしたのか彼女は慌てて出ていこうとした。
「あ、いや、嫌じゃない。」
『そ、そう?無理してない?』
「無理してない。津美紀も女の人の知り合いが増えるのは嬉しいと思うし、それにあんたの雰囲気好きだ。」
『恵くん、お姉さん想いなんだね。そういうとこ好きだなぁ……』
「す……き…………。」
「あれ〜恵くん!顔赤いんじゃない?もしかして初こ「うるさいです!五条さん!」」
もしかしたら、五条さんの言う通り初恋だったのかもしれない。
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作者名:ばなな。 | 作成日時:2023年9月8日 22時