episode.18 ページ20
Aside
「知ってる?術師からは呪霊は生まれないんだよ。もちろん、術師本人が死後呪いに転ずるのを除いてね。」
「大雑把に言ってしまうと、全人類が術師になれば呪いは生まれない。」
「じゃあ、非術師を皆殺しにして術師だけの世界を作れば良いじゃないですか……」
この言葉を聞いた時、傑がいつもと違うと気付いたのに。
『傑……?』
「いや、違っ……」
傑が自分の言葉に驚いたくらい、心の底から出た本音だって気付いていたのに。
「 夏油君…それは”アリ”だ。というか多分、それが一番イージーだ。」
「非術師を間引き続け、生存戦略として術師に適応してもらう。要は進化を促すの。鳥たちが翼を得たように、恐怖や危機感を使ってね。だが残念ながら、私はそこまでイカれてない。」
「非術師は嫌いかい? 夏油君。」
「分からないんです。呪術は非術師を守るためにあると考えていました。でも最近、私の中での非術師の、価値のようなものが揺らいでいます。」
傑の悩みを唯一聞いていた人だったのに。
「どちらも本音じゃないよ」
「まだその段階じゃない」
「非術師を見下す君、それを否定する君」
「これらはただの思考された可能性だ」
「どちらを本音にするのかは、君がこれから選択するんだよ」
傑が非術師を見下す方を選ぶ訳が無いって、傑ときちんと向き合わなくて。
「傑が集落の人間を皆殺しに……」
あの時、傑を止められたのは私だけだったのに。
「最後の呪いだよA。悟と________。」
378人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ばなな。 | 作成日時:2023年9月8日 22時