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母「でも、いいじゃない。お互い言いたいこと言い合える関係って大事よ」



そう言われて、驚いた。


わたしと涼太くんはそんな関係じゃない……。





そのとき、


以前数原さんに言われた言葉を思い出した。





『友達なんだし、言いたいこと言わないと。そうやって、お互い理解していくんじゃないかな』




あのときは、

そんなことできるはずないって

思っただけだった。




でも


涼太くんとは自然にそれができていたんだろうか。




いつも涼太くんが遠慮なく


私の心の中を覗こうとするから、


私はそれを阻止しようと必死になって、


つい本音を打ち明けてしまったり、


反発したりしたのに、


受け入れてしまったりする。







そして、


涼太くんは弱いところも、


ダメなところも、



たくさん私に見せてくれた。






そのことで私は涼太くんを嫌いになった?



ダメなやつだと見切りをつけたことがあった?




違う。





逆にそういうダメなところを知った事で

涼太くんを愛しく思ったし、

支えたい、

役に立ちたいと思うようになった。





わたしもあんな風に


他人に対して、


どんどん踏み込んでいいのかなって


一瞬思うけど、


それはわたしにはとてつもなく勇気が


必要なことだ。








自分に自信があって、


誰にでも好かれる涼太くんだから、


出来ることなんだと思う。





わたしが同じことをしようと思っても、




それは無理がある。





だとしたら


わたしは一生このままなのだろうか。





誰とも理解し合うことのないまま、




ひとりぼっちで生きていくのだろうか。

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作者名:ゆーか | 作成日時:2018年1月23日 19時

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