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わたしは恥ずかしかった。
そんな自分に気づいていなかった。
夏「なんでAは気持ち抑えてんのかなって
思ってたら、
わたしが涼太のこと好きだって言ったからだ！
って思い当たって。
まぁ、
わたしが涼太の気持ちを教えてあげれば
早かったかもしれないけど、
それはできなかったんだよね」
「夏恋……」
夏「やっぱりちょっと悔しい？っていうか
悲しいっていうか。
ちょっと意地悪したくなっちゃったって言うのが
本音かな」
夏恋も私と同じような気持ちを
味わっていたなんて……。
信じられない。
夏「それにわたしは涼太のこと
好きになっちゃったって、
最初からAに打ち明けてたでしょ？
なのにAは、
私に話してくれないんだなって。
ちぇって思ってた。
いつになったら、
話してくれるのかなーって思って、
待ってたんだよ」
「……」
夏「そしたら、今度は
秘密のインスタができちゃってて」
「ごめん……」
夏「もう大ショックだったよ、
ほんとになにも言ってくれないんだなぁって。
信用ないんだなぁって。
それで、
ついきれちゃったの。
ごめんね」
わたしはただただ首を横に振った。
夏恋が謝ることなんて、
なにもない。
夏「冷静に考えたらわかるよ、
涼太のことも
インスタのことも、
わたしに言いづらかったAの気持ち」
「……」
夏「でも、
やっぱりちゃんと話してほしかった。
Aの口から聞きたかった」
「ごめん……」
夏恋の気持ちを考えていたつもりだったけど、
結局は傷つけてしまった。
夏「あたしたち、喧嘩したって
それで簡単に壊れたりしないじゃん。
何年一緒にいると思ってんの。
でしょ？」
その言葉に、
わたしは自分の弱さを思い知らされた。
夏恋は私たちの絆の強さを
信じてくれてたんだね。
なのに、
わたしはそれを信じられなかった。
夏恋を信じられなかったのではなく、
そんな風に思ってもらえるわけがないと、
自分自身を信じることが
できなかったんだ。
夏「Aも涼太のこと好きなんでしょう？」
夏恋の真っ直ぐに見つめられ、
問いかけられて、
私はもう自分の気持ちを
隠す事は出来なかった。
わたしは、こくりと頷いた。
初めて涼太くんへの思いを、
きちんと言葉にして口にした。
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作者名：ゆーか
| 作成日時：2018年1月23日 19時
