かくりよの宿飯 津場木葵の姉2

66話　貴女サイド ページ18

葵は首をブンブン振ったあと


釜の蓋を開けた


良い匂いじゃ


葵「うわあ」


ふっくらと艶があり美味しそうな米


妾が現世で米を炊こうとした時は


上手く出来なかったが葵は炊飯器以外でも使えるのか


凄いなぁ


妾は史郎に教えてもらって鍋で作ったが


芯は残っとるわ水は多すぎたわで大変じゃった


葵「ねぇ、Aさんは料理するの？」


お椀に盛った米を鍋(現世のフライパンに似た物)に


入れながら葵が話しかけてきた


『現世に行った時に一度だけ
まぁ、料理もした事ない上に使う道具も知らん物ばかりじゃったから失敗じゃ』



葵「え、どうして現世で料理なんてしようと『史郎にやってみないかと誘われてのぅ』おじいちゃんと仲良かったの？」


『さぁな』


醤油の香ばしい匂いがする


妾も食べたいが食べれないからのぅ


羨ましい


オムライスの中身を鍋から皿に移して


今度は鍋にとき卵を入れている


『それをどうやってオムライスにするんじゃ？』


鍋でかき混ぜている葵に聞くと


適当なところでご飯を卵で包んで


形を整えるらしい


銀次「おおお」


カウンターから身を乗り出して


葵の作業を目を輝かせてみておる銀次


可愛いのぅ


葵「本当はね
ケチャップっていうトマトのソースで
味をつけて食べるんだけど、ここには無いみたい
だからあっさり目の和風オムライスにしたわ」


平皿に乗っかったオムライス


たしかにいなり寿司に見える気がする

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