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健人先輩と、駅に向かうバスに乗る。
ひとつ、空いてた席に「座りや」と言われて座る。
山田「自転車乗ってこんで正解やった今日」
朝は雨が降ってたし
バンド練習が駅前のスタジオでやるってこともあって
今日は大学生のお兄さんに車で送ってきてもらったんだと。
山田「…にしても、あの二人がね。
ゆりやんとミキ家はよォ喋っとんなぁとは思っとったけど…」
「なんだかんだ一緒にいますよね、あの二人」
山田「言われてみればそうかも。」
がだごと、とバスが進んでいく。
停車駅の名前が呼ばれ、
プシュー、という音と共に扉が開き、
降りていく人、乗っていく人…
山田「…Aさ、」
顔をあげると、先輩と目が合った。
相変わらずの金髪と、ゆるいネクタイ。
山田「バンドのライブ…もし良かったら来ない？」
「週末の？」
山田「うん。19時から1時間。梅田であんねんけど」
「19時…行けます！行きます！」
山田「え？ほんま！？」
バイトは18時まで。急げば間に合うだろう。
健人先輩たちのバンド、見て見たかった。
実は、健人先輩の歌声が結構好きで、
私にはもってくれる声が好きで、
バンドでどんな歌い方をするんやろ、って気になっていた。
それに、
彼が、バンドマンとなったらどうなるのか、って。
……絶対かっこいい
と、思う。
山田「そしたら、チケット渡すね。
忘れそうやから前日に言っといて笑」
「前日の23時にめっちゃLINEしますね笑」
がたん、とバスが揺れて、健人先輩が前のめりになる。
ゆるいネクタイが、顔を掠めた。
山田「…ごめん」
「もー、ゆるゆるだからですよ」
ぱちん、とデコピンをするようにネクタイを弾く。
でも、ゆるい方が健人先輩には似合ってる。
綺麗に締められてたらそれは先輩やない。
終点の駅に着き、降りた。
駅ビルのスタバは混んでるだろうし席数少ないから、
少し歩いたところにある駅前ビルのスタバに行く。
「健人先輩、何時からですか？今日」
山田「19時やけど…すぐんとこやから10分前に出れば間に合う」
「じゃあ、結構あるんですね、まだ」
山田「そうね。そしたら、ユニットの事でもちょっと話す？
話そう言うて、全然話せてなかったし」
健人先輩は私に優しく微笑んだ。
…そっか。そうだ、私、
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作者名：七 | 作成日時：2020年4月24日 4時
