4000 ~short story~

嘘つきは嫌い Ryodai.I ページ26

「あの…さ、話があって。」


石橋「…え？何改まって」





今日は午前中休みって言ったらAも午前休を取ってくれたらしい


朝から出かけてぶらぶらして


お昼前におしゃれなカフェに入って昼食を楽しみ


色々話して途切れたところにそう挟み込んできた。




「率直に言うと、別れて、ほしい、ん、だよね…」


石橋「え？なんで？」


「あの…付き合う、意味がわからなくて

それに、他に気になる人出来ちゃったし…

浮気になる前に別れようと、思って」


石橋「付き合う意味なんて、…」




そう思ったが、思い当たるのはなかった


会いたくても会えないこともあるし


一緒にいられる時間が少ないからお互いわざわざ


時間絞り出すように作って…


確かに、なんの意味も、なかったかもしれない


…好きだからってこと以外。





「だから、ごめんなさい」




そう言い残されてお金を置かれて、ただただ、呆然とするだけ。


でも、なんで？


なんでそんな急に？


ちゃんとお互い好きだと思ってた。けど


Aは違うの？さっきまでの俺への接し方とか何？


…全然そんな素振り見せてなかった。


しかも仕事前に言うとか、よっぽどだよな、


意外とこういうのをが仕事に影響するって知ってるはずなのに…


ってことは俺よっぽど嫌われてた？我慢させてた？


…うーわ、最悪


マジで俺死にたくなってきたんだけど。


今までなんだったの？




呆然としたまま収録に行く。


よりによって楽屋が合同。


1人になるにもトイレとかしかないし、


…ほんと最悪なんだけど。




「今日さ、ほんまに収録あるんかねぇ？」


「え？どういうこと？」


「やって今日エイプリルフールやで？」


「あ。したら収録は間違ってないけどネタ〇レちゃうかもな

ドッキリングランプリとか」




あ…今日エイプリルフールか


だから…なるほど。そういうことか。


そして、

A4月1日


ヒントのLINE。あえて既読をつけず


足跡を残さないためにインスタも開かず、


ひたすらTwitterにいるだけ。




そして収録終わりに、Aに電話した。




石橋「ごめん、A。考え直してくれない？」


「え？LINEみた？」


石橋「見てないよ。やっぱりおれは別れたくない」


「今日s…」


石橋「A、そんなやつだって思ってなかった」


「え？」


石橋「見損なったって」

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