4000 ~short story~

だから酒癖悪い女は嫌いなんだよ。Ryodai.I ページ16

石橋「おい、A、起きろA。帰るぞ」


「んぇ？無理ー帰らなーい」


石橋「席もう時間なんだよ…」




彼氏と別れたから愚痴を聞けと言われ、


こうなるとわかってホイホイ行ってしまう俺も俺だが。


毎回こうじゃ困る。


浴びるように酒を飲んだ挙句、泣きじゃくり突然寝落ち。


しまいには帰らないと駄々をこねる。


…だから酒癖悪い女は嫌いなんだよ。


と、いいつつも、Aは大事な女友達だし


相談に乗った恋愛には、


それなりの責任を持たなきゃ行けないとも思う。


相手は俺の友達だったから。


とりあえず放置してお金だけ払う。


また今度請求しなきゃ…な、なんて。




店員「あの、お連れ様大丈夫ですか？」


石橋「あぁ…大丈夫です。いつもああなので」




店員さんにまで心配されて、飛んだ迷惑野郎だ。


寝てしまったAを引きずるように店の外に出し、


店員さんに「ご迷惑おかけしました」と告げて帰路に着く。


ちょっとでもいいから足を動かしてくれよ…


いつもは歩いてくれるじゃん…


引きずりたいけど引きずれなくて、結局お姫様抱っこ。


…恥ずかしいんだけど。


お姫様抱っこって恥ずかしいんだな。


通行人に見られるし。バレないとは思うけど…



と、寝ていたはずのAが、腕を俺の首に巻き付けた




「遼大だったら、私の事捨てないで居てくれた？」


遼大「、！」




ビックリして足が止まり、


彼女の顔を覗き込んだけど彼女は目をつぶったまま。


耳元に発せられた空気が熱い…


しかもなんだその


「遼大だったら、私のこと捨てないで居てくれた？」って…


わかって言ってんのかよ…


＿こんなことがある度、だんだんと

友達として見れなくなってるって


彼氏ができた、別れた。


昔ならその報告はどうってこと無かったのに


いつからだろう。


彼氏ができたと言われて落ち込むようになったし


別れる度にこういうことされて、


気持ちが大きくなって。


そろそろ自覚をし始めそうなくらい大きくなりそう



どうせこいつは、覚えてないけど。


だから言うけどさ…




石橋「俺だったらAのこと捨てたりなんてしないけどね」




いつだってAが振られる理由は


「俺を必要としてないだろ」

「完璧すぎて俺が惨めになる」

「隙がないから可愛げがない」


そんなのばっかりで、それを聞く度俺は「？」と思うのだ

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