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ドンッと鈍い音と一緒に、崩れていく私の体。



既視感。



たしか前にもこんなことあったっけ。




「ちょちょちょ」



ふんわり懐かしい匂いと一緒に、抱きかかえられる。




桐山「え、あれ?Aちゃん?Aちゃんやんかー!!!」




そこには何も変わらない桐山先輩の笑顔。
驚きすぎて声が出なかった。




桐山「神ちゃんと濱ちゃんも!!え〜久しぶりやんなあ!!」




神山「え!照史!?」




私を立ち上がらせると、桐山先輩と神山先生はきゃっきゃっと女の子のように話し始めた。



え?え?知り合い…?



困惑した私に気づいて神山先生があーごめんごめんと声を出した。




神山「こいつ桐山照史。さっき近所でーって話したじゃないですか?照史もみんなと仲良くて」




桐山「Aちゃんなんや大人っぽくなったなあ。かわいなった!」




不意にドキドキ心がときめいてしまう。




神山「え!?知り合い、?」



桐山「せやねん、東京の大学の後輩!」



神山「は〜そうやったんかあ」




そんな会話も頭に入ってこない。
初恋の人が目の前にいて、何年ぶりに再会をして。
感動をしているのもつかの間。



桐山先輩の薬指にキラキラと光るものが見えて、
全てを悟った。




いやいや、そうだよね。




そうなるよね。





「ご、ご結婚されたんですね。おめでとうございます。」



桐山「あ、気づきはった?そやねん、もう子供も二人おってさ〜毎日バタバタやねん」



神山「ええなぁええなぁ」




よくない。
なんっにもよくない。




心のどこかではわかっていたのに、
私のあの頃の気持ちが実るなんてそんなこと思っていたわけじゃないのに、




いざ現実を突きつけられると、胸がいたんだ。

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作者名:わたし | 作成日時:2020年9月30日 22時

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