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ページ3

♡重岡




重岡「あ、目あってもうた」



小瀧「なんやねん!なんやかんや 成瀬ちゃんのこと気になってるやんか〜」




5月中旬のグラウンドは、夏かと思うほど日差しが照りつけて痛かった。



暑いし、サボりたいねんけど、



そんなことを思いながらふと保健室の窓に目をやると、新任の先生と目が合ってしまう。



あーあ あべちゃんだったらな。




重岡「ほんまだるいわ」



藤井「え〜なんで?俺は成瀬ちゃんになって嬉しいねんけど。かわいいし」



重岡「…わかってないねん、あべちゃんしか勝たんやろ」



小瀧「なんやねんそれ 意地張ってへんと サボりたいならサボりゃええやんけ」




拗ねた俺を見て腹を抱えながら笑う小瀧と流星。




重岡「あべちゃんしか作れへんの!あの独特な居心地の良さとかさーあ」




小瀧と流星がリフティングをしている中、それを横目に保健室にまた視線がいってしまう。






重岡「……かみちゃーん」



神山「んー?どうしたんや」



重岡「保健室」




葛藤をした結果、我慢が出来なくなった俺は 体育の神山先生こと神ちゃんに、手を挙げてそういうと、またか と呆れた顔をした。




神山「えーけど、ほんなんじゃ単位とれへんで〜」



重岡「わーってるて!」




しぶしぶ、という顔の神ちゃんにプラプラと手を振って、保健室へ向かった。




♡ ♡ ♡





濱田「失礼します!俺、理数担当の濱田崇裕といいます!」



ガラガラっと扉が開く音がしたと同時に、身長の高い男性教員が頭をペコペコと下げている。




「あ!成瀬です…!お願いします!!」




朝会でバタついて、まだ教務室で挨拶をできていなかった先生のようだ。
私もすぐ席を立って 頭を下げる。




「どうなさったんですか?怪我、ですか?」



濱田「あーいや、そういうわけちゃうくてですね、」



「…?」



濱田「挨拶です!挨拶!さっきできてへんかったんで…」




律儀な人なんだな。
わざわざありがとうございます、ともう一度頭を下げた。




「あ、立ち話もなんですので、今お茶入れますね!!」



濱田「ありがとうございます!!」




そういう彼を横目に、ポットへと足を進めた時だった。



足が椅子にひっかかって、がたんっ!と大きな音と共に、



体のバランスが崩れる。
これコケる!そう思った時には体が動かなくて、私は目を強くつむった。

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作者名:わたし | 作成日時:2020年9月30日 22時

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