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重岡「あべちゃーん」
阿部「何〜?ていうか先生って言いなさいな」
重岡「あともう10分おらせて〜」
阿部「だめやで〜?さっきも10分っていったじゃない」
保健室の先生、あべちゃんはもう60代のおばあちゃん。
俺がいつもここへきてサボっていても咎めてはこないが、今日は特別だった。
阿部「ほら、朝会いきなさい、ね?」
絶対外せない朝会があるんだとかで、保健室を閉めなきゃ行けないと。
はーい、と軽く返事をして 俺は保健室を出た。
♡ ♡ ♡
小瀧「おーしげ、めずらし、朝会くるなんて」
重岡「保健室閉めるいうから しゃーなし」
少し遅れて、体育館に着くともう朝会は始まっていた。
並び順は背の順だから、前の方まで行くのが気だるくて、クラスで1番背の高い 小瀧の後にしぶしぶ座る。
小瀧「あー、なんか誰か言うてたな。あべちゃんやめてほかの先生来るとかなんとか」
重岡「は!?あべちゃん辞めんの!?」
小瀧「しー!声でかいねん!」
重岡「お前もやろ」
ガハハと2人で笑うと案の定、そこうるさい!と先生に怒られてしまう。
.
『えー、保健の阿部先生が家庭の事情で退職なさるということで、新しく保健の成瀬先生がいらしてくださいました。成瀬先生、ご挨拶お願いします』
校長がマイクを通してそういうと、白衣を着たショートカットの女性がステージに上がった。
それと同時に男子生徒が一気にザワつく。
藤井「待って何あの子かわいい」
小瀧「え?え?あれ?新しい保健の先生」
重岡「…」
確かに顔はかわええけど。
あべちゃんじゃなくなって、俺の居場所が消えるんじゃないか そんな不安の方が勝った。
「は、はじめまして!
阿部先生にかわって、保健室で努めさせていただきます!成瀬Aといいます!
前の学校では、なるちゃんとかAちゃんって呼ばれてました!
22さいです…!!よろしくお願いします!」
透き通った綺麗な声で、訳の分からないスピーチを始めるもんだから、クスクスと笑い声がチラホラと聞こえてくる。
小瀧「なあ、しげもかわいいとおもうやろ?」
重岡「…ん」
藤井「んだよ〜素直ちゃうな〜」
重岡「うるせー、あんなふざけたスピーチするやつに保健の先生とか務まらんやろ」
話したこともないし、嫌いな訳でもない。
何も知らないし。
ただ、居場所を横取りされる気分になって虫酸が走った。
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作者名:わたし | 作成日時:2020年9月30日 22時