いいんちょーとふかざわくん (ページ1)

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Kniphofia ページ1

「はあ、」

まただ、また今年も

去年と変わらず委員長なんかに任命されてしまった。

まあ理由はわかってる。

どうせこのキツめな三つ編みとメガネと

丁寧に校則を守られた制服の着こなし。

どこからどう見たって優等生に見えるんだろう。

受験で落ちるのが嫌で特に行きたかった高校もなかった

という理由だけで余裕で入れそうな

この学校を選んだわけだけど、

周りの同級生女子は誰もが髪の毛をクルクル巻いていたり

可愛いメイクを施していたりと

オシャレに気を使っている子達ばかり。

男子もみんなチャラチャラしている、

そしてこの人も例外ではなく、

『いいんちょーよろしくね〜』

なんて、ヘラっと笑って手を振ってきたこの人

深澤辰哉。

入学した時から先輩方に囲まれていたし、

深澤派みたいな派閥ができていると言う噂も聞いたことがあるし、

いわゆるモテ男とか言うやつなんだろうなと思う。

まあ私には関係ないけど。

なんて、この時の私はまだこの人を甘く見ていた。