Happy Birthday! 2 ページ24
.
.
Aが目を覚ますと、既にスポンジケーキは冷めていた。
ついうっかり眠ってしまった…とAは思いながら、ケーキにクリームを塗り簡素だがトッピングにフルーツを乗せる。
「よし、完璧だな。」
「うんうん、よく出来ました♦︎」
横から突然声が聞こえてAはヒッと声を漏らした。
こいつ、"絶"を使って忍び込んできたな、とAは軽く睨んだ。
「可愛いねぇ、わざわざボクの誕生日にケーキを焼いてくれちゃうんだ❤︎」
「近い、近い。」
ニヤニヤしてぐっと顔を寄せるヒソカにAは若干頬を染めながら、距離を取った。
コホン、と気をとり直してAは目の前の男を見上げる。
「一応、サプライズのつもりだったんだけど。
まぁ…そのなんだ、誕生日おめでとう。」
はにかみながら自身の誕生日を祝うAにヒソカの胸は一瞬熱くなった。
なんだ、今の。
戦闘以外でこういう気持ちになるなんて、いや、気のせいだな。
.
ケーキを切り分け、向かい合って座るAにヒソカは尋ねた。
「そう言えば、何処でボクの誕生日知ったんだい？
教えてはいなかったはずだけど。」
「受付のお姉さんだ。
申請書？に書いてあったから内緒だよって。」
「あぁ、そう言うコト。」
うん、美味しく出来てるな。と頬にクリームを付けながらケーキを食べるAに目を細める。
手を伸ばし、クリームを拭ってやるとヒソカはその指をそのまま舐めとった。
「甘いなぁ。」
「む、甘さ控えめが好みだったか……。
来年は期待しててくれ。」
「来年？」
ヒソカの目が瞬いた。
Aの予想外の言葉につい聞き返してしまう。
「あぁ、来年こそキミを満足させてやる。」
「……♦︎」
あぁ、もうこの子は。
そのセリフはちょっと悔しいけどグッと来た。
「クク…それじゃ、また来年楽しみにしてるよ」
「任せろ！」
.
おしまい
----
すっかり遅刻してしまいました。
ヒソカお誕生日おめでとう！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AS | 作成日時：2023年5月17日 7時
