【血界戦線】出口のないこの世界で (ページ2)

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出口…01 ページ2

やっとの思いで撒けた

路地裏で身を潜めていると、俺の目の前にあった扉が勢いよく開く

「あん？誰だテメー」

「…通行人Nです」

「微妙だな!? つか、なにしてんだよこんな裏路地でよ」

「身を潜めているだけですが、なにか？」

「イラつく喋り方だなぁ！」

「他人にどうこう言われる筋合いないんで、酒、タバコ、女好きのクズは消えてください」

ニコッ、と微笑むと更に目の前にいた相手をイラつかせる

銀髪、銀目、肌黒い男はポケットから何かを取り出した。───その瞬間

「ミツケタゾ」

「…あー、…という事で、あとはお願いしますね」

俺はサヨナラ、といい化け物が来た道の反対方向へ走り出す

後ろでは、あ、待てこのやろうー！と叫んでいたが俺はスルーを貫き通した

あれから数十分、俺は走り続けた

行く宛もなくただ途方に暮れていた

「…はぁ、…はぁ…なんで俺が、こんな目に…」

空も暗くなり始め、俺は近くにあったベンチに腰を降ろすとはぁ～…と溜息をつく

「…疲れたな…」

背もたれに身を預けながら空をみる

星は見えない

ここは外国、日本のお金が使えるかわからないこの状況でどうやって過ごす？過ごす前に宿はどうする？ ──わからない

頭の中はぐるぐるとどうしよう、という言葉が回る

「キミ、ここで何をしているんだ？風邪引くよ」

不意に聞こえた声に耳を傾けた

声が自分の後ろから聞こえたことに気づき、後ろを向くと顔に傷のある男の人がいた

「あー…、そうですね、今帰るところです」

どこに帰るんだ？

俺は家すらないのに…

まぁ…歩いていれば日は上がるよな。なんて考えながら立ち上がり男の人の横を通り過ぎた

───ガシッ

「……え？」

腕を捕まれて、足が止まる

男の人を見ると真剣な顔で俺をみていた

「…なんでしょうか？」

「嘘は良くないよ？」

「なぜそう思われるのですか？」

「勘だ」

貴方の勘は恐ろしいな

なんか…この人には、誤魔化しや嘘は通じなさそうだな…はぁ

「実は…、」

「あ、待て。立ち話もあれだ。俺にちょっと着いてこい」

見ず知らずの人に着いていくのは危ないと思うけど、ここにひとりでいてもまた襲われそうだからな…

癪じゃないが、着いていくことにした