黒猫が三十一匹 ページ33
「以上で全ての競技が終了!!
今年度雄英体育祭1年優勝はーー…」
「A組！！黒猫A！！！太宰治！！！」
観客席から大きな歓声が上がった。
「それではこれより!!表彰式に移ります！」
一位の台には、Aと太宰がいる。
二位は爆豪が。三位には轟が。
「メダル授与よ!!今年、メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」
「私が、メダルを持って来」
「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」
皆はオールマイトに興奮しているがAと太宰には心底どうでもよかった。
オールマイトがどんな人物だろうか、どれだけ強かろうと興味ない物は興味ないのだ。
それよりも、Aと太宰はどうすればあと少しの所で勝てただろうか…と考えていた。
「轟少年、おめでとう。決勝で左側を収めてしまったのにはワケがあるのかな」
「緑谷戦でキッカケをもらって…、…わからなくなってしまいました。
あなたが奴を気にかけるのも、少しわかった気がします」
轟は一度口を紡ぎ、息を吸う。
「俺も、あなたのようなヒーローになりたかった。ただ…俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃ
駄目だと思った。精算しなきゃならないモノがまだある」
「………顔が以前と全然違う。深くは聞くまいよ」
「今の君なら、きっと精算できる」
オールマイトがそう告げたように、轟の雰囲気が柔らかくなっていた。
「さて、爆豪少年!っと、こりゃあんまりだ…」
爆豪が暴れる為、しっかりと固定してある。
オールマイトは爆豪の口にある枷を外す。
「オールマイトォ…俺は…黒猫野郎にも！包帯野郎にも！負けちまった！！…絶対にあいつらには
勝てないと思った！！」
貯めていたものを吐き出すかのように声を荒げる爆豪。
大きく目を吊り上げた。
頭の中でどうすれば太宰に勝てるか考えていたAは、目を開け、チラリと爆豪を盗み見る。
「うむ、確かに黒猫君と太宰君は凄かった！！だがな、十分君も凄かったと思うぞ！あそこまで
のし上がって、ちゃんと自分の本気を出せたのならいいじゃないか！！」
「受けとっとけよ！�狃��瓩箸靴董�忘れぬよう！」
「要らねっつってんだろが!!」
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作成日時：2019年8月27日 18時
