黒猫が十匹 ページ12
「…ん……ちゃん………Aちゃん」
緑谷は、Aの肩をほんの少し揺さぶり、Aの名を呼ぶ。
『…ん…緑谷か』
「うん、そうだよ」
『何だ』
「もう着いたよ」
Aは、ちらりと窓の外を眺めると景色は止まっていた。
バスの中を見渡すと、皆がいない。
『ごめんな』
「別にいいよ」
笑いながら言う緑谷にそうか、と返しておいた。
座席から立ち上がり、外に出るA。
「遅いぞ、緑谷。黒猫」
「すみません、相澤先生」
『…すまぬ、相澤殿』
「はぁ…何度言えば分かるんだ。殿じゃなくて先生な」
相澤先生は呆れたようにため息を吐いた。
「すっげーーーー！USJかよ！？」
一人の生徒が叫ぶため、まだ眠たかったAの目がぱちりと覚める。
《水難事故｡土砂災害｡火事……etc.》
《あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です｡その名も……》
「スペースヒーロー「13号」だ!災害救助で目覚しい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わｰｰｰｰ私好きなの13号!」
緑谷と麗日は興奮しながら半ば叫びながら言う。
１３号の、お小言が始まる。
Aは、つまらなさそうにぼーとしながら、右から左へと聞き流した。
『ｯ！』
Aは、ぼーとしていたはずなのに瞬時に大量の殺気を感じ取った。
『は、はは…』
久しぶりだ。
こんなに強い殺気は。
流石に双黒までとはいかないが、一般人では耐えられない殺気。
きっと、今この子達が耐えられているのは、ヒーローの卵だからか。
Aは瞬時に推測する。
「一塊になって動くな!!!!」
嗚呼＿
「13号!!生徒を守れ!!!!」
私の勘が当たった＿
「何だアリャ!?また入試ん時みたいな、もう始まってんぞパターン?」
.
ここが戦場化とするだろう＿
さぁ、久しぶりの
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作成日時：2019年8月27日 18時
