26話 ページ27
モストロ・ラウンジにて。
「いらっしゃいませ。一名様ですか、……って、」
「あぁ、一人だ」
頭上のハート形のようなアホ毛が、さらりと揺れる。
憤怒の色を宿す真っ赤な髪は、見覚えがあって、それは間違いなく、ハーツラビュル寮の寮長、リドル・ローズハートだった。
「少しいいかい？フロイドを呼んできてもらえるかな」
「フロイド先輩…ですか、」
「あぁ。まったく……。あれほど、今日中にボクの机の上へと置いておくように言っておいたのに」
ため息をついて、リドル先輩はそう言う。
少々お待ち下さい、と彼に言い、奥のほうでお客さんと駄弁っているフロイド先輩のところへ行く。
「A？どしたの？」
「リドル・ローズハート先輩が呼んでます」
「金魚ちゃん？なんだろ〜」
すくっと立ち上がり、当然のようにフロイド先輩はわたしの手をとって歩き出した。
「え……、ちょ、っと、」
「なにぃ？金魚ちゃんオレになんの用だろーねぇ」
「手、離してください。わたし、まだ接客が………」
「イイじゃん、ちょっとくらい〜。海じゃこれ挨拶」
「海コミュ力高ッ」
「あと海では〜、お互いに脂の乗り具合を確かめるために共食いも挨拶」
「挨拶ドメスティックすぎるわ！！！」
「あとお互いのヒレ食い合うのが「よお！」みたいな意味」
「よお！で死ぬって！！！」
そうこうしているうちに、グイグイ引っ張られながらきてしまった。
リドル先輩がそれに気づき、顔をしかめる。
「フロイド。ボクが貸した課題のノートを返してもらおうか」
「えぇ〜？ヤダあ、明日ね〜」
「ダメだよ。今日中に返すという規則があるだろう。それに、一瞬席を外して取りにいけば済むことだ」
「その一瞬がめんどうくさいの〜！」
ぎゅうぎゅう。リドル先輩と話している間に、無意識にか絞められていく。…痛い。
「ちょ、いたい、です」
「あっ、ごめんねえ、A。かわいかったからやっちゃったあ」
「海の愛情表現ドギつい…」
こほ、ごすこしむせる。
と、リドル先輩にわたしは話しかけた。
「珍しい、ですね。リドル先輩は、課題とかだれかに見せないタイプだと思ってました、」
「ハートの女王の法律 第34条、私物は正当な理由のない限り貸さない。そして第378条、困っている者はどんな理由があろうとも、見捨ててはいけない、だ」
あくまで、規則に遵守する、
雰囲気の変わった彼に、改めて、監督生さんの影響を感じた。
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かくも。(プロフ) - 豚汁さん» コメントありがとうございます。もうすぐで続編が出来るのでもうしばらくお待ちください……！とても嬉しいコメントです、ありがとうございます。 (11月2日 15時) (
レス) @page42 id: ab837601b8 (このIDを非表示/違反報告)
豚汁(プロフ) - 初コメ失礼します！尊くて爆死しました！（は？）更新待ってます！無理しない程度に頑張って下さいね！！ (11月2日 8時) (レス) @page46 id: 1de28648f3 (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - スターリーさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。励みます！ (9月29日 20時) (レス) @page32 id: 0078269c1c (このIDを非表示/違反報告)
スターリー - はじめまして。とっても面白かったです。これからも頑張ってください。 (9月29日 16時) (レス) @page28 id: be9a39083d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かくも。 | 作成日時：2023年8月12日 14時
