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「まぁ、ありがと。ヤマトが働いてるなんて、さすがに予想してなかったけどさ」
「んも〜！俺っちいっぱいバイトしてるって言ったでしょお？バイトある場に唐猫あり。コレ有名だよ〜！！」
「聞いたことねぇよ、そんな言葉………」
その猫らしき先輩は、「ヤマト」という名前らしい。
俺の乏しい想像力では、どこぞの宇宙戦艦しか思い浮かばない。古風だけど、かっこいい名前だ、とか月並みの感想だけが喉を滑り落ちた。
猫っぽい先輩は、もう一人の先輩から代金を受け取れてほくほくしているようだ。あー………こういうの、なんて言うんだっけか、
その先輩を見ていると、そろそろ頭の上に猫耳まで見えてきてしまった、だめだ、幻覚がひどい。
疲れてるんかな、やっぱ任務で寝不足なのか？俺。 自分ではまったく自覚がなかったが、言われれば目が疲れているような気もする。
鼻の頭あたりをぐ、っと押さえ、部屋へ戻ろうと、踵を返しかけた時、
「は〜いっ、唐猫宅急便ですっ！お届け物ですよぉ、お客様っ！」
明るい声が、俺の耳をつんざいた。
振り向いて、顔を上げる。その猫目は確かに、俺をまっすぐに見つめている、気がする。
念のためだが、きょろきょろと周辺を見回し、他に人気がいないか確認してみる。さっきのもう一人の先輩はもうすでに、部屋へと戻ったようだ。人気は俺たち以外に、特にはない。
そんな俺の行動に、面白おかしそうに、ブハッ、と猫っ気のある先輩は噴き出した。
「んもぉー、俺っちちゃんと君の目ぇ見てご挨拶したよねぇ？確かに主語なかったけどさぁ………んん、もしかして天然っちなの？」
「………天然ッち？」
「そーそー。天然さんなの〜？ってコトね」
八重歯をのぞかせながらそう言う先輩。急に猫語でも喋られたのかと動揺したが、どうやら「天然っち」はちゃんと人間の言葉らしい、取り敢えずは一安心だ。
「しっかし、こんな朝っぱらからどしたのぉ〜？普通はまだ寝てる時間じゃね？あ、もしかして、不良少年………！？」
「全然違ェシ………ナニがあッタラそウいウ思考回路になルンでスか」
なかなかノリの良い先輩らしい。ていうか朝早くに出てたからって不良少年とか、判断が早すぎだろ、と今更ながらに思う。まぁ喉が痛いので言わないけれど。
ニコニコな猫の先輩は、俺の目をまた真っ直ぐに見て、くちを動かした。
「俺っちは、
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作者名：かくも。 | 作成日時：2024年2月13日 17時
