影山飛雄に嫌われた〈影山飛雄〉

10 ページ10

「それじゃ、予め状況を整理しましょー」





そう言って、わたしと影山くんは近くの机の椅子に座る。花瓶はそのままに。状況整理って大事だよね。別に現実逃避とかではないから、必死に向き合おうとしてるところだから、多分。




「まず、花瓶を割ったのは影山飛雄で、主犯は影山飛雄。共犯者ナシ。OK？」

「何一つOKじゃねぇよお前もミョウバンだっつってんだろ」

「だから共犯だっつってんだろいい加減覚える努力をしろバ影山飛雄」

「うるせぇボゲA」

「全然上手くねぇよただの罵倒じゃねぇかドヤ顔すんなウザい」




なんで満足そうな顔してんだムカつくな。


　

影山くんは頬杖をやめ、ちらりと割れて水がこぼれている花瓶を一瞥する。心なしか、いつも不機嫌そうな影山くんの顔が青い。




「………これって、もしバレたら、部活一週間禁止とかになったり、すんのか？」

「え？まぁ、多分………自宅謹慎とか？」

「自宅禁止！？帰れねぇじゃねぇか…………」

「ねー帰れないねぇ(諦め)」





わぁわたし会話にこんなに疲れるの初めて♡地底人と話してるみた〜〜〜〜い死にたい。



「……でも本当に、バレたらどうするの？わたしは別にいいけど……。バレーって大会とかもあるよね？大丈夫なの？」

「俺が出られない大会なんてないだろ？」

「当然のように屁理屈を言うな」



そうだったコイツそう言う奴だった。うん、分かったからきょとんとすんの止めろ。バレー部って大丈夫なのかなこんな馬鹿いて。キャラ埋もれてない？大丈夫？




そんな出会ったこともないバレー部の心配をしつつ、取り敢えず影山くんに話しかける。割と重要な話だ。



「………これは、じゃあ、隠蔽するって事でOK？」

「………！？Aどうした、お尻ぺんぺんなんてする訳ねぇだろ！？」

「お前がどうした！！！耳腐ってるアーユーオーケー！！！？してやろうかもう逆に！！！！」

「あぁ、取り敢えずは隠蔽しねぇと、このままじゃまずいだろ」

「意味分かってんなら最初から言えやぁあああ！！！なんか血迷ってキモい事言っちゃっただろうが！！！お前人が興奮すると正常になんのマジでやめろぉおおおお！！！！」

「オイ、どうした。Aも破片拾え」

「ハイハイ！！！拾いますよもう！！！！！」



わたしだけ頭おかしいキャラにするのやめてもらえる！！？わたしたちミョウバンだったよね！！？違うわ共犯だわもう影山てめえ！！！！！(理不尽)

11→←9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す