影山飛雄に嫌われた〈影山飛雄〉

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パンの袋を開ける。わたしが不器用なのか、袋は歪に破れ、危うくパンが飛び出しそうになってしまった。




「バレーやってるとか凄いね。偏見みたいでアレだけど、男子でやってるとか珍しいし………、」

「？、そうか？別に普通だろ。オリンピックもVリーグもあるんだし」

「え？バレーってオリンピックあんの？」

「は？あるだろ。見たことねえのか？」

「見たことないどころか今初めて知った」



驚いて、また手をすべらせてパンを落とすところだった。影山くんは、弁当を食べながらリスのように頬をもぐもぐさせている。


バレーのオリンピック………考えてはみたものの、字面だけでは全く想像がつかない。ただ審査とかめっちゃむずそうなことだけは分かった。




「凄いね………バレーって点数制じゃないから、金メダルとか決めんのめっちゃ難しそう。まあ綺麗だろうけど………」

「…………？………バレーは点数制だろ」

「は？何言ってんの。点数とかないじゃん、美しいものに点数なんてつけるのは野暮だよ」

「俺はヤドンじゃねえ」

「耳腐ってんのか」




誰がヤドンだよ今の流れでポ○モン出すわけねえだろ馬鹿なの！！？あぁ馬鹿だった。


しかしどうも話が噛み合っていない気がする。バレーに点数制度があるなんて、影山くんは一体どこのバレーをやっているんだろうか。






「…………俺がやってるのは、バレーボールだ」

「え、ナチュラルに心読むな、っていうかバレーボール？踊んないの？」

「お前が言ってんのはバレエだもう面倒くせえな会話まともに続かねえじゃねえかこのボゲ！！Aボゲ！！」

「あ〜なるほど、だから点数のとことか話噛み合わなかったんだ〜納得！」

「なんでてめえ爽やかな笑顔浮かべてんだ腹立つｯｯｯｯｯｯｯｯｯ゛！！！」

「影山くんがキラッキラな衣装着て踊るとかおもしろ………じゃなくてカッコいいだろうなあって思ってたんだよね！」

「てめえ笑顔浮かべれば誤魔化せると思ってんじゃねえぞおもしろ……って言いかけてんのバレてんだよ馬鹿！！！」

「暴言ボキャブラリーが小2だね！あはは！」

「ぼきゃぶらりーってなんだこのボゲェエエエ！！」

「てめえそれで馬鹿とかよく言えたな！！？」




盛大なブーメラン放ってんじゃねえよ突き刺さって瀕死になってんぞ！！！




影山くんはやっぱり頭おかしいね！あはは！(脳死)

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