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「あ、やばい。もう一限目始まるじゃん」
「……………」
ちらりと時計を見ると、もうすぐで予鈴が鳴ってしまう。
わたしは影山くんの後ろに座り、薄いがしっかりとした背中を黙って見つめた。
ふと、一限目の教科担任の顔を思い出す。冴えなさそうな見た目をしつつも、結構忘れ物に厳しかったタイプな気がする。しかも声張り上げて怒る系。
あぁ………面倒くさいなぁ………と思いつつ、まだ入学してそんなに経っていないし見逃してくれそうな気もする。
予鈴が鳴る。周りの人たちが急いで自分の席に座る、と同時に、教室の前方の扉がガラリと開いた。
あ、来た。姿が見えた先生に、腰を上げようとする、が、
立つよりも先に響いた音にびっくりして、腰は動かなかった。
代わりに、視界を全力で遮る背中ひとつ。
それと、わたしの机にはあるはずのない、教科書が乱雑に置かれていた。
「え………、」
「ん、」
しー、と少しだけとがっている口元に人差し指を立てる、影山くん。彼はわたしの視界を遮るどころか塞いでいた。
「なんだ。どうした、影山」
「すません。教科書忘れました」
頭を下げることもなく、やけに堂々と低い声で影山くんが言う。それを聞いた先生は少し黙り、それから目をそらすようにしてボソッと呟いた。
「………次から、気をつけろよ」
「うっす。すませんっした」
そこで頭を軽く下げる。より顕著になった綺麗な頭の形とさらさらなストレートヘアに、意外と茶髪混じってるんだな、とかそんなどうでもいい事をぼんやり思ったりした。
低くはなったが、まだ視界は充分に見えにくい。姿勢を流れるようにすっと正して、椅子を引いて影山くんは座った。
「………ったく、あんだけなら、貸さなくてもよかったな」
わたしの方を振り向いてから、チッ、と舌打ちを小さくかます。あぁ、それがなければただのイケメン優男だったのに。
まぁけど、これこそ「影山飛雄」って感じだ。ブレない迷わない曲がらない。さすが、影山くん。
先生が話し始めて、チョークが黒板をすべる音が聞こえる。
わたしはぶすっとした顔をしている影山くんに言った。
「………影山くん、教科書、見せてあげようか……？」
「ちょっと待て俺のだろ何だその言い方」
「いや……隣の席の女の子に「貸す？」って話しかけられてなくて可哀想だなって………」
「Aお前マジ黙れ」
理不尽。
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かくも。(プロフ) - さなかさん» コメントありがとうございます。ツンデレな影山くんを目指したので、そう言っていただけて嬉しい限りです……！ リアルのこともあり、更新はゆっくりになってしまうとは思いますが、これからもどうかよろしくお願いいたします。 (2月24日 21時) (
レス) id: 0dd49dac82 (このIDを非表示/違反報告)
さなか - ツンデレ！（胸が打たれる）・・・可愛い 影山君めっちゃ見てて楽しいです！これからも頑張って下さい‼︎‼︎ (2月23日 20時) (レス) @page21 id: c6c26cf44c (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - かくも。さん» ✉️。こんにちは！いつも作品見てます！！全作品を何回も繰り返す程大好きです！！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？ボードに返事送ってます。嫌じゃなければボード返事待ってます！これからも更新応援してます！！💝 (2月6日 19時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - コミュ障さん» コメントありがとうございます。需要しかないだなんて言葉を頂けて嬉しいです。更新頑張るので、これからもよろしくお願い致します！ (11月25日 22時) (レス) id: 52443ca11f (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障(プロフ) - 結局優しい影山大好きすぎるぅ！更新ありがとうございますマジで需要しかない... (11月25日 21時) (レス) @page11 id: aeac63a63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かくも。 | 作成日時：2023年11月15日 23時
