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影山飛雄に嫌われた。
いや、正確には、嫌われていた。
まぁ避けてることには気付いてたし、分かってはいたけどあんな言い方されるとはちょっと思って無くて、少し意外だった。
日向くんにはあの後謎に謝られて、どうやら部活の先輩が仲介して、二人はあっという間に仲を修復してしまったようだ。
一方のわたしと影山くんは、約3日ほど口をきていないどころか顔も合わせていない。わお。
廊下を歩く。影山くんのいないわたしの世界は、心なしか少し、寂しい気がした。
影山くんのことは好きなのに、なんでから回るんだろうか。もう逆に不思議。
はぁ、溜め息が漏れる。どうしようもないのに、どうにかしたい。謎だ。
そんなことを考えていると、誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみませ、」
「悪い。……………!」
「………影山くんだ」
目が合う。でかいな、相変わらず。
影山くんはとても気まずそうに、その切れ長の瞳をそらした。けど逃げなかった。
まぁ逃げないのは、彼の判断だし、だったら言ってもいいよね、うん。
「………避けられるの、結構きついんだけど……………、」
「……………悪かった、」
「いや、うーん………、わたしも悪かった気するし、謝らなくて全然いいよ………?」
「……………どんな顔して会えばいいか、わかんなかった、から………、ほんと、悪い」
「いや…………今まで通り普通に話してくれるなら、全然…………」
「……………悪い、」
しゅんとした顔でうつむき、目は合わない。今まで見た中で一番悲しそうな影山飛雄だ。レアだ。
もう、そのことを話す気も削がれてきた。あぁもう、ほんとに、影山くんは、
「…………好きだなぁ」
―――――――――は?
今、なにか聞こえた。誰かの声。けれど絶対に影山くんではない、女の子の声。
まさか、
「……………え?」
「何も言ってないよ!?」
「まだなんか言ったかどうかすら聞いてねえよ」
しまった自爆。いやだってさ、そんなまさか。
なんとか誤魔化そう。うんそうだ、それが一番正しい行動、な、気がする、たぶん、
「いつもの癖で、つい出ちゃったみたいな………」
「……………癖?…………おい、好きって、俺のことか?」
「え?いやそうだよ、他に誰が――――――」
うん?え?あ、そうか。
わたしって、影山くんが、好きなんだ。
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かくも。(プロフ) - さなかさん» コメントありがとうございます。ツンデレな影山くんを目指したので、そう言っていただけて嬉しい限りです……! リアルのこともあり、更新はゆっくりになってしまうとは思いますが、これからもどうかよろしくお願いいたします。 (2月24日 21時) (レス) id: 0dd49dac82 (このIDを非表示/違反報告)
さなか - ツンデレ!(胸が打たれる)・・・可愛い 影山君めっちゃ見てて楽しいです!これからも頑張って下さい‼︎‼︎ (2月23日 20時) (レス) @page21 id: c6c26cf44c (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - かくも。さん» ✉️。こんにちは!いつも作品見てます!!全作品を何回も繰り返す程大好きです!!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?ボードに返事送ってます。嫌じゃなければボード返事待ってます!これからも更新応援してます!!💝 (2月6日 19時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - コミュ障さん» コメントありがとうございます。需要しかないだなんて言葉を頂けて嬉しいです。更新頑張るので、これからもよろしくお願い致します! (11月25日 22時) (レス) id: 52443ca11f (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障(プロフ) - 結局優しい影山大好きすぎるぅ!更新ありがとうございますマジで需要しかない... (11月25日 21時) (レス) @page11 id: aeac63a63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月15日 23時