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「影山く〜んおはよう。あ、なんか身体にゴミついてるよ取る?」
「オイなんで頭取ろうとしてんだゴミって俺の頭かA引っ叩くぞボゲ」
「え………?なんでわたしの苗字知ってんの、もしかしてス トーカー………?」
「一回も話したこともねぇのに身長知ってた奴が何言ってんだてめえ!!」
朝から影山くんは元気だ。もしかして高血圧なんじゃなかろうか。
元から、テープで引っ張り上げられたみたいに吊り上がった目が、更に弧を鋭くさせている。心なしか顔に影まで見えるようだ。
影山飛雄はいい反応をする。わたしが最初に絡みに行って得た収穫だ。
不機嫌そうに身体を揺すりながら、肘をつく影山くんの後ろの席にカバンを置き、ファスナーを開ける。
と。
「………影山くん、大変」
「何がだ」
「わたし教科書ぜんぶ忘れた」
「俺が言えることじゃねぇけど学校に何しに来たんだお前」
「ついでにペンケースも忘れた」
「ご愁傷さまぜっっっっっってぇ貸してやらねぇ」
「あとノートも全部忘れてなんなら弁当も忘れたし今日の体育のジャージも忘れた」
「お前バカなの?」
影山くんに素でバカと言われた。すごい失礼だなこいつ。
だが否定できない。希望を捨てず、もう一度カバンをあさって見る。
しかし教科書やノートや弁当や弁当や弁当は一つも出てこず、代わりにカサっと、何か小さな袋が指先に触れた。
なんだろう、と思って、それをカバンから引き抜く。
「…………影山くん」
「なんだ」
「蒲焼○ん太郎あげるからシャーペン貸してくれませんか………」
「なんでだよそういうのって普通アメとかだろ逆になんで蒲焼さ○太郎持ってんだよ欲しいわちょうだい」
「しっかり買収されといて何言ってんだトビウオ」
すっごい早口で喋りながら光の速さで蒲焼○ん太郎を奪い取った影山くんは、代わりに数本のシャーペンを頬をリスみたいに膨らませながら差し出してきた。食うの速ぇえよ。
影山飛雄の食べ方は想像に反して、意外と綺麗で豪快だった。もっとボロボロ食べかすこぼしてそうなのに(失礼)。
「………リスじゃん」
「?なんの話だボゲェ」
「君ボゲェが語尾なの?罵倒が語尾とか就職活動大変だからやめな?」
「…………?ボゲ」
「やめなって言った矢先からやっていく反骨精神嫌いじゃないよ」
「気持ち悪いな」
「お前なんて大嫌いだわ地獄に落ちろ」
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かくも。(プロフ) - さなかさん» コメントありがとうございます。ツンデレな影山くんを目指したので、そう言っていただけて嬉しい限りです……! リアルのこともあり、更新はゆっくりになってしまうとは思いますが、これからもどうかよろしくお願いいたします。 (2月24日 21時) (レス) id: 0dd49dac82 (このIDを非表示/違反報告)
さなか - ツンデレ!(胸が打たれる)・・・可愛い 影山君めっちゃ見てて楽しいです!これからも頑張って下さい‼︎‼︎ (2月23日 20時) (レス) @page21 id: c6c26cf44c (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - かくも。さん» ✉️。こんにちは!いつも作品見てます!!全作品を何回も繰り返す程大好きです!!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?ボードに返事送ってます。嫌じゃなければボード返事待ってます!これからも更新応援してます!!💝 (2月6日 19時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - コミュ障さん» コメントありがとうございます。需要しかないだなんて言葉を頂けて嬉しいです。更新頑張るので、これからもよろしくお願い致します! (11月25日 22時) (レス) id: 52443ca11f (このIDを非表示/違反報告)
コミュ障(プロフ) - 結局優しい影山大好きすぎるぅ!更新ありがとうございますマジで需要しかない... (11月25日 21時) (レス) @page11 id: aeac63a63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月15日 23時