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「特級呪霊が一体。二級呪霊が5体。三級以下の呪霊の数は未だ確認出来ておりません」
「特級が一体……。なるほど、すみません、禪院さん。お願い出来ますか?」
「うん。岸辺くんは、二級呪霊をお願いできる?祓ったらすぐ行くから」
「はい。任せて下さい。おいで、「花子」」
彼がそう言うと、どこからともなく、どす黒い血に塗れた赤いスカート姿の女の子が現れた。
影のように黒い血がぽたぽたとスカートから垂れ、顔は下向きで見えない。ただただおどろおどろしい雰囲気を身に纏い、声にならない声を上げながら岸辺くんの隣に立っていた。
「それは………」
「二級呪霊の、「花子」です。こっちは、僕に任せてくださいね」
「うん。わかった」
岸辺くんが複数の二級呪霊に向き直るのを見届けてから、わたしは反対方向へ身体を向けた。
「……投射呪法 極ノ番・錬速」
そう言い放ち、6フレームの動きを頭の中で構築する。
と、共に、実際に最高速度で動き始めた。
わたしが動きに物体を巻き込むたび、地面が割れ、建物に罅が入る。
けれどここは廃校の校舎だしまぁ、壊れても禪院家のコネを使えばなんとかなるだろう。
特級呪霊に素速く触れる。その瞬間、呪霊はフリーズした。
その隙に蹴りを叩き込む。身体を半回転させながら、今度は顔面を殴りつけた。
呻き声を上げる呪霊。と、その背後から、何やら大型犬くらいのサイズの式神が顔を出した。
脚に呪力を込める。鋭い犬歯を覗かせて噛み付いてくる式神を躱し、特級呪霊の鼻っ柱に再び、蹴りを入れた。
ぐらり、と呪霊が倒れていく。が、地面にぶつからない内に、呪力が消えて消滅した。
「さて……と」
投射呪法を使う。わたしの姿はその場から消えた。
岸辺くんは、もう既に二級呪霊5体を倒し終え、三級以下の呪霊の討伐を行っていた。
「ごめんね、岸辺くん。遅くなって」
「大丈夫ですよ。すみません、少し厄介な術式を持った呪霊がいるので、禪院さんにお願いしてもいいですか?あそこの三級呪霊なんですけど……」
岸辺くんの指指した先に、確かに妙な雰囲気の呪霊がいた。
「「花子」の不可侵の領域が効かないんです。多分、呪力の流れを操作する感じの術式だと思うんですが……」
「……うん、そうだね」
その三級呪霊がケケケッ、と笑ったような気がした。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時