禪院星来から要観察・『岸辺雛』へ ページ8
三重高専に入ってから、多分一番最初に会ったのは、同級生の
というのも、まだ入学式が行われる前で、任務で一緒になっただけなのだが。
後から彼が三重高専の子だと知った時は、酷く驚いた。岸辺くんは、こう言ってはなんだが全くもって問題児らしくはなかったのだ。
わたしより20cm以上は低い身長に、ほくろの多い、小さな顔。七三分けにした髪はつやつやで、思わず触りたくなってしまう。
そんなふわふわした、穏やかな雰囲気を持つ彼は、初対面の時も凄く真面目に挨拶をしてくれた。
「自分は、三重高専一年の岸辺 雛です。禪院さん、よろしくお願いします」
同い年で三級呪術師の彼が持つ術式は、またもわたしを驚かせた。
「「花子」、おいで」
「え………。呪霊?って、もしかして岸辺くんって………」
「あぁ、言ってませんでしたよね。僕の術式は、呪霊操術。よく珍しいって言われるんです」
呪霊操術。聞き馴染みのない術式だが、わたしはその術式を知っている。
特級呪詛師・夏油傑の持っていたとされる術式だ。今は故人となっているが、取り込んだ呪霊の数次第で、多数の軍隊を所有でき、単独での国家転覆も可能となる。
充分な、特級術師の素質だ。彼は穏やかな顔をしているが、実は結構厄介な人かもしれない。
わたしはあまり積極的に人に話しかけられるタイプではないため、移動の車の中でも特に彼との会話はなかった。
「…………」
「…………」
「………あー…、え、っと、なんかテレビとかつけときます……?(←補助監督)」
「……お構いなく」
「あ、僕も大丈夫ですよ。お気遣いありがとうございます」
「あ、そっすか……」
「「「…………」」」
「(……え?何これ、気んまずッ。ちょっと待って、俺が担当した任務の中で過去最大級に気まずい。え?死ぬ。てか二人して黙るから俺が頑張って喋るしかねえじゃねえかしんどいッッッッ!)」
(全く気まずくない禪院星来と岸辺雛。)
「あ!最近スポーツ盛り上がってますよね〜野球とか、バレーとか。なんか再熱してきてますよね〜!なんか好きなスポーツとかあります?」
「「スポーツ興味ないです」」
「(うん、死にたい)」
特に気まずいこともなく、補助監督さんが時折なんか喋ってくれたりしながら、岸辺雛くんとわたしは、任務に向かった。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時