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「星来ー……!私の隣、座るー……?」
間延びした奥之手梢ちゃんの声に、頷いて、彼女の横に座る。
奥之手さんはいつも食べているアイスとは違う種類のアイスを食べていた。どうやらこのアイスも、如月先輩にもらったらしく、嬉しそうに頬張っている。
微笑ましくて、思わずくすり、と笑みが漏れた。
「あ、そうだ。星来、もう新しいメニューには慣れた?」
ぎくり。つい、肩が跳ねた。声のした方を恐る恐る見てみると、やっぱり、近衛優先輩だった。
新しいメニューを渡されたのは2日前。そんな早く慣れるわけねーだろと言ってやりたいが、彼の爽やかな笑みを見ているとそういうわけにもいかなくなる。
「せめて、あと1週間くらいは…………、」
「1週間?長くないかな?」
「……………あと、5日で、慣れてみせマス」
笑顔の圧が凄すぎる。爽やかだから余計に。
その間に、向かいの席の胡夜鈴先輩はお菓子を食べ終えてしまったようで、ジュースを一気飲みしている。
「ぷは!サイコーだネ、このジュース美味しい!コレ、日本のジュース?星来、このジュースどこに売ってるカナ?ワタシでも買える!?」
「普通のジュースなので、買えますよ」
「そっか!ソレは安心だネ!星来、教えてくれて谢谢!お菓子、おかわりダヨ!」
胡先輩に笑顔でお礼を言われて、自然とわたしの顔にも笑みが浮かんだ。
あちらでは、まだ攻防戦が続いている。
「だからそれ私が食べようと思って取っておいたやつなんだって!重音くんの前にもいっぱいお菓子あるじゃん!?それ食べなよ!」
「生憎ですが全部苦手なお菓子なんすわ!それにほう先輩のリアクションおもろいし。あ、これももらいますね〜!」
「あっ、ちょっとコラ!?金平糖はダメーーーー!!!」
「もう遅いっちゅーねん!もう金平糖全部食っちった」
「はぁ!?早すぎでしょ!?」
鳳凰叶先輩と、傘屋重音先輩の対決だ。どうやら叶先輩の食べたいお菓子をことごとく、傘屋先輩が取っているらしい。にぎやかな場の雰囲気は、きっと彼女たちにあるのだろう。
そのすぐそばでは、天界灰先輩と、柳屋巡先生が話している。
「このお菓子さぁ、全部稔が持ってきたんだってさ。凄いよね」
「へぇ〜。僕に言ってくれれば、マッハで運んだのに〜。まぁ味崩れちゃうからいっか!」
「灰が運んじゃったら速すぎるしね…………」
ここはあまりにも和気あいあいとしていて、わたしも顔がほころんだ。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時