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連日の任務。
それはもちろん、今日も例外ではない。いつも通り、寮からまっすぐに、補助監督の車へ向かう。
今日も特級案件だ。正直、気が滅入る。
ぐっ、と伸びをしつつ、眠たい目を擦りながら、真っ黒い車へと向かう。すると、そのすぐそばに、どこかで見覚えのある桃色の髪が視界に入ってきた。
あれは、確か……………でも、なんで?
頭の中にハテナマークを浮かべながら、車へ近づいていく。やがて、わたしの頭2つ分は低い、その桃色の髪の主は振り返った。
「星来ちゃん!おはよう、今日はよろしくね」
「…………虎杖さん………。なんで…………?」
やっぱり、予想通りそれは虎杖さんであった。
この間、わたしに座学を教えてくれた子。ついこの間初対面を済ませたばっかりだが、なぜこんな朝早くからここにいるのだろう。
「実はね、急遽星来ちゃんの任務に同行することになったのよ!私もびっくりしたんだけど、せっかくだからって。3級呪霊もいるみたいだしね」
「そうなんだ………虎杖さんと任務…………、」
虎杖さんは、あの秘匿死刑囚、虎杖悠仁の双子の兄だ。
そして、ひと目見てわかる天与呪縛――――――フィジカルギフテッドである。
監視役として、やっぱり彼女には目をつけておかないとならない。両面宿儺を身体に宿した男と双子だし、貴重なフィジカルギフテッドだ、任務中は、なるべく彼女を見逃さないようにしよう。
「改めて、今日はよろしくね!!」
「……………うん、よろしく。虎杖さん」
そんなことを静かに心に決めて、わたしは彼女の顔を見た。
投射呪法・変速。
目の前の特級呪霊との距離を詰め、死角から呪霊に触れる。すると急激に動きが遅くなり、ほとんど動いていないのと変わらないくらいの速度になっていった。
すぐそこでは、虎杖さんが3級呪霊、4級呪霊との戦闘をしている。
いくら特級といえど、わたしとその呪霊にはどう足掻こうとも変わらない実力差があったようだ。何事もなく祓えそうで、安堵の息をついた。
そして、ちらり、と虎杖さんの方を見やる。
「………っと、危ないわね。私じゃなかったら避けられてないわよ!」
彼女は呪具である刀、妖刀村正を駆使し、4級呪霊の素早い斬撃を避けた。実際、戦闘中の彼女はふわりと身軽に舞い、しなやかに動いている。
天与呪縛――――――例が少ないゆえの謎に、わたしは目を細めた。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時