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ページ33

奥之手さんの手に触れていると、ふと、呪力の残穢が見える。







目を凝らさなくても簡単に見つける事が出来た。先程の特級呪霊のものであろうそれは、なぜだか、少しだけ覚えがあるような気がした。


「………?」


なんだろう、この、奇妙なデジャヴは。一体どこで知ったというのか。思い出せそうにはないが、気のせいではない。確かに、覚えている。この呪力を。


後ろの数人の術師たちに、声をかける。




「…………あなたたちは、奥之手さんの死体を高専に届けた後、一般人の警護に回って下さい。少しだけ、やるべき事が増えました」

「え………、でも…………」

「大丈夫です。他の呪霊は、わたしたち以外の三重高専の生徒たちが相手をしていますから。一般人が、最優先です」

「………分かりました」



こくり、と頷く。その様子を確認し、彼らが足早に奥之手さんの死体を運び、ここから去っていくのを見届けて、わたしは腰を上げた。




ごめんね、奥之手さん。ろくにお別れも言えなくて。







でも、必ず、あなたを殺した呪霊の元を、叩く。





ぐっと伸びをしてから、頭の中でイメージを反芻しつつ、わたしは術式を展開させた。

 





 





 


 

21時40分 禪院星来、都心メトロ渋谷駅にて現着。





「…………ここか」



残穢を見ると、ほぼ間違いなく、残穢はこの先へと続いている。


張り詰めた空気だ。ここから先は、特級呪霊がうじゃうじゃいると思って良いだろう。油断大敵という訳だ。


やけに静まり返った駅構内を歩く。床には血飛沫や、数名の改造人間が横たわっていた。






間違いなく、ここで惨劇が起きている。それを直に感じさせられて、思わず顔をしかめた、その時だった。





「おや、タイミングが悪いね。やっと動かせるようになったんだけど」

「…………あ?」




にこにこと笑みを浮かべる、その男。袈裟を着ていて、黒髪。なにか立方体の箱を持っていて、額には縫い目―――――――――







「…………夏油傑………」

「………おやおや。その名前で呼ばれるなんて。いかにも、私は夏油傑だよ」

「…………お前が、」




夏油傑。あぁ、この呪力のデジャヴの謎がやっと解けた。


上層部の資料庫に載っている、夏油傑に関する資料。呪力の特徴が全て、目の前にいる男と一致している。更に、呪霊操術。


全てを、わかってしまった。





こいつの手持ちの特級呪霊が、奥之手さんを殺した。それで、それだけ。

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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時

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