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「な〜んか甘い物食べたくなってきたねぇ〜アイスとか」
「いやちょっと。そんな事よりコピーって何ですか、説明して下さ―――」
「アイスー………!?食べるー……!」
「……………。………良いですね、食べましょー………」
誰もわたしの話を聞いてくれないようだ。奥之手さんはキラキラと瞳を輝かせながら、『アイス』と言う単語に食いついている。もしかして、アイスが好きなのかな。
「はぁ………。取り敢えず、よろしくね。奥之手さん」
「あ、うんー……よろしくね、星来ー………」
「…………」
なんだか調子が狂いそうだ。にこっと可愛らしく微笑む彼女の顔を見てると、どうも自分の汚らしさが際立つ。隣に並んだら、彼女まで一緒に汚してしまいそうな気がして、少しだけ不安になった。
「よし、じゃあ早速行こう!お〜!」
「おー………!えへへ、アイス楽しみー………!」
五条悟と一緒に、右手を天に突き出してはにかむ奥之手さん。なんだか守りたくなるような存在だなと、密かに思ってしまった。
「…………これは………」
「わー………高そうだねー………すごくー………」
「え?そう?普通だよ〜さぁ頼んで!」
そう言って笑う五条悟を横目に、店内をちらりと見る。
金色の装飾は主張が激しくなく、その周りの黒色がいい雰囲気を醸し出していた。主な色として、ボルドーと言うワインに似た、深い赤色が使われていたが、店内の落ち着いた感じによく合っている。
つまり、一目見て分かる。高級店だと。
やっぱり呪術界最強ともなると、給料も洒落にならないぐらい高いのだろうし、仕方ないのかもしれない。アイスを食べるのにミシュランガイドの3つ星に載っているような所をチョイスするのは常識なのかもしれない。
奥之手さんもきょろきょろと店内を見渡している。彼女は身長が小さめで華奢なので、椅子に座っていても床に足が着いていなかった。
「何食べる〜?色んなのあるよ〜バニラとかチョコとか」
「バニラ、食べるー……!」
「…………一番安いやつで………」
瞳をキラキラさせ、メニュー表に向けて身を乗り出す奥之手さんは、やっぱりアイスが好きなのだろう。喜んでいる様子がありありと伝わる。
心の中では普通のが来ますように………と合掌中。
「アイス、好きー……!甘い物は、正義ー……」
奥之手さんの言葉に、そう言えばアイスって食べるの初めてかも、と思ったのだった。
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星音(プロフ) - かくも。さん» Ifでも泣いちゃいますよ。なりチャでも死んでたら号泣ですね。ほんとifでよかった。はい、これからもよろしくお願いします! (1月2日 13時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - 星音さん» コメントありがとうございます。Ifとはいえ、一回書いてみたかったんですよね………そう言って頂けて嬉しいです、成りチャなどではまだ生きてますので、これからもよろしくお願い致します! (1月2日 12時) (レス) id: 447326c752 (このIDを非表示/違反報告)
星音(プロフ) - 星来ちゃんが、死んじゃった……。泣けない鈴の代わりに私が沢山泣いちゃいました (1月2日 10時) (レス) id: ad93be62fc (このIDを非表示/違反報告)
かくも。(プロフ) - jyudo0517さん» こちらこそありがとうございます……!奈穂ちゃんと星来には普通の女の子としていっぱい喋って頂きたかったので、いっぱい話してもらいました!笑 こちらこそ、これからもよろしくお願い致します! (12月29日 19時) (レス) id: 2246c6766d (このIDを非表示/違反報告)
jyudo0517(プロフ) - 奈穂が話してる………!(感動)ありがとうございます!!解釈一致です!!これからもよろしくお願いいたします!! (12月29日 19時) (レス) @page40 id: e508273c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かくも。 | 作成日時:2023年11月4日 19時