【三重高専】【派生作品】制御不能なきみたちへ

in. 禪院家 with. セルタちゃん ページ26

※禪院家で傘屋くんが傘売る話です。





「いやーこの傘もオススメですよぉ〜すげー万能な呪具ですしね、さ、買いますか？」


なんで傘屋先輩がここに居るんだろう。というか何してんだろう。この人。


傘を買うか迷った様子の禪院家の男を無視して、わたしは問答無用で傘屋先輩を引きずった。



「あれ、セルタちゃんやん何してん」

「いや何してんって言うか、ここわたしの実家で―――って、セルタちゃん？」

「おん。考えたんけどな、ぜんっちやと禪院家みんなそれになってまうやん？」


傘を入れたケースを片手に持ち、顎に手をやって考える素振りを見せる傘屋先輩は、こう言ってはなんだがスーツ姿のわたしより禪院家に合っている。




「んで〜、名前「星来」で星やし、星にちなんだ名前にしたいな思て。そしたら昨日深夜テレビで丁度やってたんよぉ〜！」

「えぇ………」

「誕生星っていうんがあって、セルタちゃんの誕生星がデルタ・ピクトーリスゆうやつやったから、デルタちゃんじゃ原型ないし、もじってセルタちゃん！どや、ええやろこれ」

「思ったより由来しっかりしてるし………ぜんっちで良いですよ」

「ちなみに星言葉もあるらしいで？ま、あんま似合ってへんけどな」

「…………？、その星言葉って、なん…………」

「あ！当主様やん〜ちょうどよかった！傘買いません！？お安くしときますよぉ〜」






直毘人のところに傘屋先輩が駆け寄っていく。また傘を売るつもりだ。


なんか聞きそびれたな、と思いつつ、まぁわたしに被害なきゃいいか………と諦めて、自分の部屋へ戻った。






『優しさとふれあい志向』―――――――――、





「(…………まあそれは、俺もか)」








傘屋重音先輩は、わたしの先輩である。

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