【三重高専】【派生作品】制御不能なきみたちへ

in. 高専会議 ページ21

※高専会議で篠家先輩の目が開く話です。






「ん……あれ、」

「また会ったね！星来ちゃんどうも〜」


ひらひらと手を振る、見知った顔を見つける。あの細い目と学生帽は間違いない。篠家彼方先輩だ。


一級以上が参加する、高専会議。今回も例の特級呪霊についての件だが、また方針でも決めるのか。



篠家先輩はわたしの隣に立って、頭の後ろで手を組んだ。



「しかし僕初めてなんだけどさ、会議って何するの？話聞いてるだけなら寝そうだな………」

「基本話聞いて、ちょっと話してですかね………。まぁでもほとんど大人の方がやってくれるので、長いですけどそんなにやることはないですよ」

「そっか〜。早く終わるといいなぁ」



ぐぐぐ、っと彼は伸びをする。そう言えば、一応共有しておいたほうがいいかな、と思い、わたしは話し始めた。


「そういえばですけど、高専に内通者がいるらしいですよ。会議でしか言われてない、他言無用の極秘情報っぽいですけど………」

「………へぇ、そうなんだ」



篠家先輩の声が、心なしかワントーン低くなる。不思議に思って、彼の顔を見た。



「………ま、内通者さんも結構可哀想だよね。温情を向けるよ」




片目を瞑り、もう片方の眼は緑色を静かに宿しながら、篠家先輩がそう言った。






篠家彼方先輩は、わたしの先輩である。

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